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巨額経済対策 米国の再生につなげられるか

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 米国のバイデン大統領が、8年間で2兆ドル(220兆円)規模の経済対策案を発表した。老朽化したインフラの更新と、半導体を始めとする重要産業の強化が柱だ。

 製造業や建設業を活性化し、低所得層や中間層の所得を底上げすることで、新型コロナウイルスの感染拡大で一段と広がった格差の是正につなげる狙いがある。

 対策案は、戦時を別とすれば、1930年代に世界恐慌を克服するために実施した「ニューディール政策」以来の規模になるという。「大きな政府」に傾きがちな民主党政権としても、異例の大規模な財政支出である。

 バイデン氏は演説で、数百万人の雇用を創出すると強調した。米国で深刻化している社会の分断修復を図るのは妥当だ。

 交通インフラの整備に6210億ドルを充て、道路や鉄道網などを充実させるとしている。製造業には3000億ドルを投じ、うち500億ドルを半導体の国内生産や研究の支援に使う方針だ。

 財源は法人税率の引き上げなどで賄うという。野党共和党は増税に反対しており、議会での調整が必要だが、巨額の投資が実現すれば日本企業にも好機となろう。

 対策案は、経済力を強める中国に対抗する目的もあるという。サプライチェーン(供給網)を再構築することで、中国などへの依存を減らすことを目指しており、日米の協力の余地は大きい。

 とりわけ、世界的に不足している半導体の確保は共通の懸案である。日本企業は半導体の製造装置や素材に強みを持っており、研究や開発で連携が可能だ。日米両政府は、16日の首脳会談などで協調の具体策を探ってもらいたい。

 温室効果ガスを出さない「脱炭素」も喫緊の課題で、電気自動車や再生可能エネルギーの普及策などで協力を広げてほしい。

 一方、新たな対策で景気が過熱することを懸念する声がある。

 米国では、家計への給付金を盛り込んだ1・9兆ドルの経済対策が成立したばかりだ。国際通貨基金(IMF)は、今年の米経済成長率を、主要先進国で最も高い6・4%と予測している。

 景気回復がさらに進めば、物価上昇が加速し、米連邦準備制度理事会(FRB)が想定より早く金融緩和の縮小を迫られる可能性がある。その場合、歴史的な高値水準にある株価が急落するなど金融市場に動揺が広がりかねない。

 米政府とFRBは、こうしたリスクに目配りする必要がある。

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1977253 0 社説 2021/04/11 05:00:00 2021/04/11 05:00:00

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