読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

熊本地震5年 記憶をつなぎ今後の教訓に

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 連続して2度の震度7を記録した激震の記憶を次代につなぎ、教訓として生かしたい。

 熊本地震の発生から5年を迎えた。直接死50人、関連死221人、豪雨による二次災害死5人の計276人が亡くなった。20万棟近い住宅が損壊し、各地で交通網が寸断された。

 市街地ではすでに、地震の爪痕も少なくなり、熊本県内の国道、JRの各線は全て復旧した。熊本城は天守閣の工事が完了し、今月中に一般公開される。被災地には明るい兆しであろう。

 仮設住宅の入居者もほとんど退去を終えた。被災者は災害公営住宅や再建した自宅に移り住み、新しい暮らしを始めている。

 ただ、元の生活を取り戻せているわけではない。災害公営住宅では高齢者世帯が半数を超える。病気や独居などで支援を必要としている人も多いという。孤立を招かないよう、自治体は息長く見守りを続けていくことが大切だ。

 熊本地震は、関連死の多さが顕著だった。避難生活のストレスによる持病の悪化などが原因だ。直接死の4倍以上に上り、死者全体の8割を占めている。

 熊本県が県内の関連死を分析した結果、発生3か月以内と70歳代以上の死亡が、それぞれ全体の8割に上った。原因別では、避難生活の肉体的・精神的負担が4割近かった。発生初期に避難環境を整備する重要性を示している。

 内閣府は近く、熊本地震や東日本大震災などの関連死の事例集を公開するという。災害を生きのびた命が、その後に失われることがないよう、今後の対策に生かせる内容にしてもらいたい。

 熊本地震で関連死が多かった一因に「車中泊」も指摘されている。車内に長時間いると血栓ができやすく、エコノミークラス症候群のリスクが高まる。自治体は避難場所の把握が難しく、支援情報や救援物資も届けにくい。

 コロナ禍の中で災害が起きれば、感染を避けるため車中泊を選ぶ人は増えるだろう。自治体は被災者に避難場所を申告してもらう方法などを整えるべきだ。

 被災地では記憶の風化が懸念される。昨年12月の熊本市のアンケートでは、教訓を忘れがちだと感じている人が少なくなかった。

 政府の地震調査委員会は、全国の地震動予測地図を公表した。都道府県庁所在地の6割超は、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が上昇している。地震はいつどこで起きてもおかしくないと改めて肝に銘じてほしい。

無断転載・複製を禁じます
1986322 0 社説 2021/04/15 05:00:00 2021/04/15 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)