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ミャンマー情勢 国民を殺戮する軍の異常さ

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 軍が、本来守るべき国民に銃や火砲を向け、さつりくをためらわないというのは異常極まりない。国際社会はこれ以上事態を放置し、人道危機を高めてはならない。

 ミャンマー軍が、2月のクーデターへの抗議運動を続ける国民に対し、暴力をエスカレートさせている。中部バゴーでは迫撃砲などの重火器が使われ、一度に82人が死亡した。犠牲者数はこの1か月でそれ以前の約5倍に増えた。

 軍報道官は「木が成長するには雑草を取り除き、害虫を駆除せねばならない」と述べ、市民の殺傷を正当化している。軍の名に値しない常軌を逸した主張である。

 ミャンマー軍は世界で最も長く実戦に従事している軍隊だと言われている。1948年の独立以来、少数民族が支配する辺境地域で掃討作戦を続けてきたなかで、民間人への発砲や残虐行為が習慣化したとの見方が強い。

 日本の自衛隊の統合幕僚長を含む12か国の軍参謀長は、非武装の民間人に対する軍事力行使を非難する異例の共同声明を出した。ミャンマー軍は、自らの言動が国際的な常識からかけ離れていることを認識しなければならない。

 軍は過去にも大規模な抗議活動に直面したが、数週間で鎮圧している。今回は2か月半たっても、収拾できていない。民主化を経験した国民の抵抗の強さを見誤り、焦りを募らせたことが暴力の拡大につながっているのだろう。

 経済は麻痺まひ状態に陥り、国民は食料やガソリンなどの必需品に窮している。軍の統治能力の欠如は明白だ。軍が「国父」として国を治めるべきだという伝統的な自負が、もはや国民から受け入れられることはあるまい。

 国際社会の介入を阻んでいるのは中国とロシアである。中国は自国の強権が批判されることを避ける狙いもあってか、「内政不干渉」の原則を主張するだけだ。ロシアはミャンマーに対する最大の武器供与国で、軍との関係が深い。

 国連安全保障理事会は、拒否権を持つ中露の反対で、制裁などの圧力強化策を打ち出せないでいる。軍の残虐行為による被害の増大に対し、両国は責任の一端を免れることはできない。

 独自制裁を強める欧米と違い、日本は軍との対話で自制を促しているが、成果は見られない。

 このまま事態が悪化すれば、日本の責任も問われることになる。「軍が暴力をやめないなら支援を打ち切る」といった明確な態度表明を行う時期に来ている。

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1988770 0 社説 2021/04/16 05:00:00 2021/04/16 05:00:00

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