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東芝社長辞任 経営の迷走を繰り返すのか

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 日本を代表する名門企業である東芝のトップが突如、辞任した。新体制で混乱を収拾し、投資ファンドの買収提案に適切に対処してほしい。

 東芝は、社長最高経営責任者(CEO)だった車谷暢昭氏が14日付で辞任し、綱川智会長が社長を兼務する人事を発表した。

 英投資ファンドの「CVCキャピタル・パートナーズ」が、東芝に対し、全ての株式を取得した上で、株式を非上場にすると提案したことが引き金となった。

 東芝は、2020年に発覚した子会社の架空取引問題への対応や経営戦略を巡り、大株主の別のファンドと対立していた。会社に改革を迫る「物言う株主」との対話に苦慮していた車谷氏にとって、非上場化は好都合と言える。

 ただ、CVCは18年3月まで車谷氏が日本法人の会長を務めた古巣だったため、社内外から透明性を疑問視する声が出た。一部に解任を図る動きもあったとされ、辞任に追い込まれたのだろう。

 元三井住友銀行副頭取の車谷氏は、18年4月に東芝の会長CEOに就き、20年4月からは社長になった。事業の「選択と集中」で収益力を回復させ、東証2部に降格していた東芝株の1部復帰を果たした功績は評価できる。

 だが、徹底したリストラなどに反発もあった。社内調査で、経営幹部の過半数が「不信任」の意向を示していたといい、これも交代の一因になったとみられる。

 東芝は、15年に会計不祥事が明るみに出て以降、経営が迷走した。17年には、米国の原子力発電事業の巨額損失で債務超過になり、穴埋めのため6000億円の増資を行った。その際、物言う株主から多くの出資を受けていた。

 当時の社長が綱川氏である。まずは、株主らとの関係修復に再び取り組んでもらいたい。

 一方、CVCは詳細な提案を行う方針だ。他のファンドも名乗り出て、買収合戦になる可能性があるという。東芝は透明性の高い手続きを踏み、受け入れの是非を慎重に判断せねばならない。

 東芝は、廃炉を含む原発事業や防衛関連、盗聴やハッキングが理論上、不可能とされる「量子暗号通信」といった事業を手がけている。半導体製造の「キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)」の株を41%保有している。

 東芝が経営の安定を保つことは日本の安全保障にとって重要だ。買収は、外資を規制する「外国為替及び外国貿易法」の審査対象で、政府も動向を注視すべきだ。

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1991205 0 社説 2021/04/17 05:00:00 2021/04/17 05:00:00

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