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日米首脳会談 強固な同盟で平和と繁栄導け

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◆対中戦略すり合わせ責任共有を◆

 自由で開かれた国際秩序が中国の挑戦を受けている。日米同盟をより深化させ、民主主義の強靱きょうじんさを示していきたい。

 菅首相がワシントンを訪問し、バイデン米大統領と初の首脳会談に臨んだ。バイデン氏は、対面で協議する最初の外国首脳に菅首相を選んだ。日本に対する期待の表れだろう。

 共同声明では、安全保障に加え、世界経済や先端技術、気候変動、感染症など幅広い分野の課題に、協調して取り組むという新たな時代の同盟像を打ち出した。日米は、緊密に連携し、地域の平和と繁栄を確保しなければならない。

◆台湾情勢明記は適切だ

 バイデン政権は、同盟国や友好国と手を携えて中国と対峙たいじする構えで、日本をその最大のパートナーと位置づけている。

 自由や民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する日米が結束して、国際社会からの信頼を高め、中国に覇権主義的な行動を改めるよう促していくことが重要だ。

 日本は、米国と対中戦略を十分にすり合わせ、責任を共有する覚悟が必要となろう。

 菅首相は記者会見で、「共同声明は日米同盟の羅針盤であり、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた結束を示すものだ」と語った。バイデン氏は「21世紀においても民主主義が勝ることを証明するため、協力していく」と強調した。

 会談では、対日防衛義務を定めた日米安保条約5条の尖閣諸島への適用や、米国による拡大抑止の提供を再確認した。

 中国は、尖閣諸島周辺の領海侵入をはじめ、東シナ海や南シナ海で一方的な現状変更の試みを活発化させている。バイデン氏がこの地域への関与と日本防衛を確約した意義は大きい。

 共同声明には、「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記された。首脳会談の成果文書で台湾海峡情勢に触れるのは、日中国交正常化以前の1969年に行われた佐藤栄作首相とニクソン大統領の会談以来である。

 台湾で軍事的な危機が生じれば、日本の平和に深刻な影響が及ぶことは避けられまい。台湾を威圧する中国に対し、日米が共同で警告を発したのは適切である。

 あらゆる事態を想定し、日米であらかじめ役割分担を議論しておくことが不可欠だ。

 共同声明では、北朝鮮の「完全な非核化」や、日本人拉致問題の即時解決の重要性も強調した。北朝鮮の核・ミサイル問題などに対処するため、日米韓3か国の緊密な協力が必要である。

◆人権弾圧に深刻な懸念

 日米両首脳は、少数民族ウイグル族や香港民主派への中国の弾圧に「深刻な懸念」を共有した。

 日本は、中国への配慮から、欧米と同様の制裁はしていない。だが、基本的人権の侵害や国際約束に反する行為は容認できない。政府は中国に対し、状況の改善を直接求めるなど、より明確なメッセージを発していくべきだ。

 会談では、半導体などの重要物資について、特定の国に頼らないサプライチェーン(供給網)の構築を進めることで一致した。

 バイデン氏は2月、重要製品の供給網の見直しを関係省庁に指示する大統領令に署名している。日本にとっても共通の課題であり、連携を強めたい。

 高速・大容量通信規格「5G」や人工知能、量子技術などの先端分野でも協力を深めるという。

 米国は、民間の先端技術を軍事的優位性につなげようとする中国の軍民融合戦略への警戒を強め、輸出規制を厳格化している。

 一方で、日米の企業にとって、中国は重要な市場でもある。中国に対し、どの技術を守るべきか、経済安全保障の観点から検証を進めてもらいたい。

◆気候変動と五輪で協力

 会談では、気候変動対策に関する協力の強化も決めた。

 日米両国は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府目標を掲げており、その実現に向けて、水素の活用や、二酸化炭素を回収して貯蔵する技術などで連携する内容だ。

 今後設定する30年度の温室効果ガス削減目標の達成に向けた協調も申し合わせた。両国が歩調を合わせ、「脱炭素」の世界的な流れを加速させることが望まれる。

 新型コロナウイルス対策では、東南アジアなどにワクチンを配布する方針を確認した。

 バイデン氏は、東京五輪・パラリンピック開催への努力に支持を表明した。安全な大会の実現に万全を尽くすことが大切だ。

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1993121 0 社説 2021/04/18 05:00:00 2021/04/18 05:00:00

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