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最低法人税率 引き下げ競争は限界を迎えた

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 主要国の法人税率引き下げ競争が転機を迎えたようだ。デジタル時代に対応し、財政再建にも資する公平な税制を実現してもらいたい。

 米国のイエレン財務長官は演説で、法人税率の引き下げについて、「30年間続いた『底辺』への競争だ」と述べ、世界共通の最低税率を導入するよう訴えた。

 米バイデン政権は2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ投資計画を表明し、財源確保に向けて国の法人税率を21%から28%に引き上げる意向を示している。

 トランプ前政権の減税路線を転換し、大企業に応分の負担を求める狙いは理解できる。

 これまで各国は、企業誘致や自国企業の競争力強化のため、法人税率の引き下げを競ってきた。

 米前政権は2018年に法人税率を35%から21%にしていた。日本もアベノミクスの一環として、外国からの投資を呼び込むため、40%近かった実効税率を16年度に30%弱にまで下げている。

 しかし、新型コロナウイルス対策の支出で、日本始め各国の財政は急速に悪化した。英国は23年に大企業向けの税率を19%から25%に引き上げる方針だ。引き下げ競争は限界に来たと言えよう。

 また、「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業は、タックスヘイブン(租税回避地)などの税率の低い国・地域に利益を集め、「課税逃れ」を行っていると批判されてきた。最低税率は、これを防ぐ面でも効果が期待されている。

 巨大IT企業が利益を移転させているとされるアイルランドの税率は12・5%だ。公平な国際課税に改めていくのは当然である。

 主要20か国・地域(G20)は、最低税率の導入などで7月の合意を目指しており、各国の協調で論議を加速させてほしい。

 G20は、国境を越えてインターネットビジネスを手がける巨大IT企業などへのデジタル課税のルールについても協議している。

 現在の税制は自国に工場や事業所といった拠点がなければ法人税を課せず、ネット通販やデジタル広告で稼ぐ多国籍企業に適切に課税できていないとされてきた。

 巨大IT企業を抱える米国は、トランプ政権下では改革に消極的だったが、バイデン政権は今月、世界的な大企業約100社を対象に売上高に応じて各国が税を徴収できる独自案を示したという。

 自国優先の法人税制が横行すれば、世界経済にとってマイナスだ。各国が協調し、建設的な話し合いを進めることが望ましい。

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1999068 0 社説 2021/04/21 05:00:00 2021/04/21 05:00:00

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