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サイバー攻撃 官民一体で先端技術を守れ

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 防衛や宇宙関連に携わる約200の研究機関や企業、大学がサイバー攻撃を受けていた。中国軍が関与した疑いが強く、政府は全容の解明と対策を急がねばならない。

 攻撃は2016~17年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱電機、日立製作所、慶応大、一橋大などを標的に行われた。

 警視庁は、攻撃に使われた日本のレンタルサーバーを偽名で契約した中国人の男2人を特定し、そのうち、中国共産党員の男を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで東京地検に書類送検した。

 2人は来日時に任意の事情聴取に応じた。既に帰国しているが、その供述などから、中国軍とほぼ一体のハッカー集団からの依頼で偽名契約したことが判明したという。中国軍による組織的攻撃の疑いが濃厚になったと言えよう。

 サイバー攻撃の捜査で、関与した人物を特定し、事件化にまで至るのは異例のことだ。

 中国はミサイルや宇宙関連の技術開発を加速させてきた。今のところ情報流出は確認されていないというが、防衛や先端技術に関する情報が漏れたとすれば、安全保障や経済に重大な影響が及ぶ。

 捜査当局は、被害の把握を急ぎ、攻撃の目的や手口を徹底的に解明してもらいたい。防衛当局とも連携し、政府が一体となって情報共有と対策に取り組むべきだ。

 中国外務省は「状況を承知していない」としながら、「わけもなく推測すべきではない」と反発している。それならば、捜査に全面的に協力すべきではないか。

 今回のハッカー集団は、過去にも日本企業などを狙った攻撃への関与が指摘されてきた。日本の防衛白書によれば、中国軍には、約3万人のサイバー攻撃部隊が配置されているという。

 サイバー空間の脅威は中国に限らない。昨秋には、ロシアの情報機関が東京五輪・パラリンピック大会を標的にサイバー攻撃を仕掛けた疑惑が浮上した。北朝鮮も暗号資産(仮想通貨)の窃取を狙った攻撃を活発化させている。

 国内では昨年、1日あたり6500件もの不審な接続が確認されたという。防衛産業だけでなく、一般の中小企業が持つ優れた技術も狙われている。企業は危機意識を高め、情報管理や攻撃への対処法を点検することが重要だ。

 被害に遭っても、信用低下を恐れて公表をためらう企業は多い。内閣サイバーセキュリティセンターなどと情報を迅速に共有し、被害を最小限にとどめたい。

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2002144 0 社説 2021/04/22 05:00:00 2021/04/22 05:00:00

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