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企業統治指針 形式よりも実効性が大事だ

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 経営の質を高める企業統治の改革は、形式を整えるだけでは十分ではない。経営の透明性向上や不祥事抑止に実効性ある取り組みが不可欠だ。

 金融庁と東京証券取引所が、上場企業の行動原則を示した「企業統治指針」の見直し案を公表した。6月までに改定する方針だ。

 経営を監視する独立社外取締役の増員が柱となる。強制力はないが、従わない場合は投資家への説明が義務づけられるという。

 指針は、海外から投資を呼び込むことを狙いに2015年に策定され、今回が2度目の改定だ。これを、着実に改革につなげる企業自身の行動が重要になる。

 現在は、独立社外取締役を2人以上置くことを定めている。新指針は、来春の市場再編で東証1部を引き継ぐ「プライム」市場の企業に対し、取締役の3分の1以上とするよう求め、必要に応じて過半数の選任を推奨する内容だ。

 現状は、東証1部で社外取締役が「3分の1以上」となっている企業は約6割で、「過半数」は1割未満だという。プライム移行に向け、対応を急ぐべきだ。

 社外取締役の役目は、社内のしがらみにとらわれず、客観的立場で経営判断の妥当性を評価することや、経営を監視して不正を抑止し、是正させることにある。比率を増やすのは大事だが、数あわせに終わってはならない。

 現状では、企業の社長経験者や著名弁護士、会計士らに依頼が集中して、複数の企業を兼任する例が少なくないという。

 会長だったカルロス・ゴーン被告の報酬不正問題が起きた日産自動車や、不適切な販売が横行したかんぽ生命保険、役員の金品受領問題が明るみに出た関西電力などでは、社外取締役の監視機能がうまく働かなかった。

 内部の情報が社外取締役にあまり提供されないケースがあるという。日頃から社内の幹部らと意見交換する場を設けるなどし、情報共有を徹底することが大切だ。権限と役割を明確にし、経営に関与しやすい環境作りを進めたい。

 新指針は、気候変動問題への対応も重視した。すでに二酸化炭素の排出削減目標や気温上昇が事業に与えるリスクなどを公表する企業は多いが、投資家は一層の開示を要請する動きを強めている。

 気候変動対策の情報開示を定めた国際ルールに基づき、実施状況を公表するよう企業に求めるとしている。投資家の評価を受けやすくする狙いだ。積極的な情報発信で資金を呼び込んでほしい。

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2009119 0 社説 2021/04/25 05:00:00 2021/04/25 05:00:00

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