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海賊版サイト 安易な閲覧は出版文化脅かす

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 漫画や小説を無料で読めるインターネット上の「海賊版サイト」を安易に閲覧する人は多い。出版文化を脅かす犯罪を助長する行為である。

 海賊版サイトの被害は、再び増加に転じ、業界団体の調査では、昨年の推定被害額が2114億円に上った。今年も毎月300億円を超えているという。

 人気漫画7万冊分を掲載したとされる大規模違法サイト「漫画村」が2018年に閉鎖され、元運営者らが起訴された。今年1月に施行された改正著作権法では、漫画などを繰り返しダウンロードした個人も刑事罰の対象となった。

 にもかかわらず、違法サイトは増え続け、今も700以上が存在しているという。利用上位10サイトの閲覧数は先月、計2億回を超えた。1年前と比べ、閲覧数が20倍以上に伸びたサイトもある。

 極めて深刻な状況である。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」があるとみられている。

 サイトの多くはサーバーを海外に置いており、運営者を特定するのは難しい。ネット上の住所にあたるドメインも次々と変更するため、追跡も容易ではない。

 そのため、業界団体と経済産業省は、「ホワイトハッカー」と呼ばれる技術者の協力を仰ぎ、運営者を特定する事業を始めた。運営者への損害賠償請求に向けた事例研究も進めるという。

 違法サイトの収益源となっている広告掲示を断つことも有効だ。関係者が知見を共有し、違法サイトの撲滅を目指してほしい。

 閲覧する側に罪悪感が乏しいことも問題である。総務省の調査によると、漫画のダウンロードが違法だと知っている人は、1割にとどまった。海賊版サイトを「絶対に利用したくない」と答えた人も、半数に満たなかった。

 業界団体は、「きみを犯罪者にしたくない」というメッセージを掲げた海賊版サイトの撲滅キャンペーンを始めた。国も若者への啓発を強めている。粘り強く、訴え続けることが必要だろう。

 出版不況の中で、電子出版物は伸びが著しい。昨年の推定販売額は前年比3割増の3900億円を記録した。全体の9割近くをコミックの売り上げが占めている。

 読者が作品を楽しむ対価を支払うことで、作者は次の作品づくりに向かうことができる。海賊版サイトの利用は、作者の生活や出版社の経営に打撃を与え、出版文化を揺るがしかねないことを今一度、肝に銘じてほしい。

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2010575 0 社説 2021/04/26 05:00:00 2021/04/26 05:00:00

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