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ヤングケアラー 子供の負担を放置できない

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 家族を介護する負担が子供たちにのしかかり、学業や生活に影響を与える事態は見過ごせない。自治体や関係機関が連携し、適切な支援を進めることが重要だ。

 政府は、家族の介護や世話を担う子供を対象とした初めての全国実態調査の結果を公表した。中学2年の約6%、高校2年の約4%が「世話をしている家族がいる」と答えたという。

 世話をする対象は、きょうだい、父母、祖父母が多かった。食事の準備といった家事、保育園の送迎、入浴やトイレの介助、薬や金銭の管理、外出時の付き添いなど、多岐にわたっている。

 家族の世話を日常的に担う子供は、ヤングケアラーと呼ばれ、英国などで支援が広がっている。

 家族が助け合うのは大切なことで、幼い弟や妹、病気の親らの面倒をみる子供は昔からいた。

 ただ、近年は、一部の子供だけが重い責任を負っていると指摘されている。少子高齢化や共働きの増加により、家庭でケアをする人手が減ったという背景がある。

 これまで必ずしも実態がわかっていなかった。国の調査で現状を明らかにした意義は大きい。厚生労働省と文部科学省は今回の調査を踏まえ、5月にも対策を打ち出すという。子供たちの悩みに応える支援策を講じてもらいたい。

 調査が浮き彫りにしたのは、ケアに追われる子供たちの姿だ。

 平日にケアをする時間は、中2、高2とも平均4時間に及んでいた。7時間以上と答えた生徒は、それぞれ1割を超えている。勉強や睡眠の時間が足りないという人や、進路を変更した人もいた。

 誰にも相談したことがないという生徒が、それぞれ6割を超えたのは心配される。「家族のことは話しにくい」「家族に対して偏見を持たれたくない」という声も少なくなかった。

 子供たちの孤立を防ぐには、まず周囲が悩みに気づく必要がある。相談しやすい環境をつくり、関係機関が一体となって支援する体制を整えてほしい。

 神戸市は4月、ヤングケアラーを支援する専門部署を設けた。社会福祉士ら専門職が、教員らからの相談をメールや電話で受け付け、学校や介護担当部署などと協力して対応するという。

 福祉関係者や教員に対する研修に力を入れるとともに、子供同士が語り合う場もつくる予定だ。他の自治体の参考となろう。

 関係者が課題を共有し、社会全体で子供たちを支えたい。

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2010576 0 社説 2021/04/26 05:00:00 2021/04/26 05:00:00

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