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デジタル広告 「情報の質」劣化を食い止めよ

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 巨大IT企業の寡占が進むデジタル広告市場を健全化させることが急務だ。市場のゆがみを正す効果的な枠組みを整備してもらいたい。

 政府のデジタル市場競争会議はインターネットの広告に関する最終報告書をまとめた。政府は2月に、ネット通販などを手がける巨大IT企業に対し、取引の透明化を求める新法を施行している。

 その対象に、デジタル広告を加えるのが報告書の提言だ。

 事業の状況を国に定期的に報告するよう義務づけ、広告料設定などの透明性向上を促すという。具体策を検討し、早ければ来春にルールを整えるとしている。

 国内のデジタル広告市場は、昨年に約2・2兆円となり、広告全体の4割近くを占めるまで急成長した。それに伴い、取引の不透明さなどに批判が高まっている。政府が監視を強めるのは当然だ。

 米グーグルや米フェイスブックなどの巨大IT企業は、利用者に検索やSNSなどのサービスを無料で提供している。

 その代わりに、好みや趣味などに関する膨大な情報を集め、それに応じた「ターゲティング広告」を配信して、広告主の企業から巨額の利益を得ている。

 広告収入は、消費者の関心を集め、クリック数を伸ばすほど増える仕組みだ。正確なニュースより、刺激的な話題や、虚偽内容を含むフェイクニュースを扱うサイトの方が利益を上げる場合がある。

 報告書が「情報の質」の劣化に強い懸念を示した上で、広告主が良質な情報を提供する媒体を選び、配信できる手法を構築すべきだと指摘したのは妥当である。

 広告主が、いつ、どこに掲載されているのか把握できない複雑な構造も問題だ。デマを拡散するサイトに広告が出れば、企業イメージが損なわれることになる。

 広告業界と巨大IT企業などは3月、配信の実態などをチェックする新たな組織を設立した。今や重要な生活のインフラとなったIT企業は、責任の重さを自覚し、広告業界と協力して健全な市場の形成に努める必要がある。

 報告書は、個人情報の扱いに関する利用者への説明にも注文を付けている。新法で、データ取得の範囲や方法、管理状況を明らかにするよう要請し、個人情報を広告に利用することを拒否できると、明確に示すよう求める考えだ。

 ターゲティング広告を煩わしく感じる人は多い。巨大IT企業は利用者の理解を得るため、説明責任を尽くさねばならない。

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2016192 0 社説 2021/04/28 05:00:00 2021/04/28 05:00:00

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