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40年超運転同意 既存原発を有効に活用したい

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 原子力発電所の安全性を、稼働年数で一律に区切るのは不合理である。電力の安定供給のためには、既存の施設をできる限り有効に活用していくことが重要だ。

 福井県の杉本達治知事が、運転開始から40年を超える関西電力高浜原発1、2号機と、美浜原発3号機の再稼働に同意した。地元の高浜町、美浜町に続き、県議会が再稼働を支持したことを踏まえた妥当な判断だと言えよう。

 原発の運転期間について、日本には元々、制限がなかった。2011年の東京電力福島第一原発の事故後、改正原子炉等規制法で原則40年と定められ、原子力規制委員会が認可した場合は20年間、延長できる措置が盛り込まれた。

 今回の3基は、運転開始から44~46年が経過しているが、規制委が16年に延長を認可している。今回の知事の同意で、再稼働に必要な条件が初めてそろった。

 古い原発の再稼働を不安視する声もある。しかし、原発では部品交換や計画的な補修で機能が維持され、新規制基準に基づく安全対策も導入されている。関電はこうした取り組みを広く周知し、不安の解消に努めてもらいたい。

 関電は、準備が整った原発から再稼働に着手し、運転を開始する方針だという。ただ、3基ともテロ対策の強化を求められており、期限内に完了しないと再び運転を停止しなければならない。

 米国でも原発の運転認可期間は40年だが、上限とはされていない。全米に90基以上ある原発の大半が延長を認可され、60年運転が主流になりつつある。うち4基は80年運転を認められている。

 日本では震災後、9基の原発しか再稼働していない。多くはこの10年間停止したままで、施設の劣化は進んでいない。運転していない期間は、制限の40年から差し引くことが妥当ではないか。

 国内の原発は1990年代以前に建設されたものが多く、今後、次々と運転40年を迎える。延長措置で当座をしのぐだけでなく、本来は、新増設を検討することが安全性の観点からも望ましい。

 原発施設の耐用年数について、科学的な研究を進めていくことも必要だ。運転を継続することが技術や人材の維持にもつながる。

 政府は、2030年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を打ち出した。二酸化炭素を出さない原発の再稼働が進まなければ達成が難しいだろう。政府は曖昧な姿勢を改め、原発を積極活用する方針を明確にすべきだ。

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2019187 0 社説 2021/04/29 05:00:00 2021/04/29 05:00:00

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