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ワクチン証明書 往来活性化の切り札となるか

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 新型コロナウイルスのワクチン接種記録を示すデジタル証明書を導入する動きが、欧米諸国を中心に広がっている。

 外国との往来の再開に向けて活用が期待される一方、接種していない人への配慮も求められよう。

 欧州連合(EU)は、域内の自由な移動に向けて、ワクチン証明書を夏までに導入する方針だ。

 スマートフォンなどに保存されたワクチン接種やPCR検査の記録の証明書を入国審査でチェックできるようにするという。クリアした人に検査や隔離措置の免除を検討している国もある。

 コロナ禍でEU加盟国間の人的往来が厳しく制限される中、ギリシャなど観光への依存度が高い国は証明書の早期導入をEUに強く求めてきた。夏の観光シーズンを前に、感染拡大を防ぎながら、経済活性化を図る狙いだろう。

 英国も、外国旅行の段階的な解禁を視野に、証明書の導入を検討しているという。

 新型コロナの収束はいまだ見通せない。渡航規制の緩和を安全、円滑に進めるうえで、ワクチン証明書が有効なのは確かだ。

 ただ、接種が任意であることを忘れてはなるまい。アレルギーや副作用の懸念など、様々な事情で接種を控えている人は少なくない。コロナの重症化リスクが低いとして、若者の接種を後回しにしている国も多い。

 接種していない人が大きな不利益を被らないようにする手立てが必要だ。証明書が普及した後でも、非接種者がPCR検査の陰性証明などの手続きで入国できる仕組みを維持すべきだろう。

 とりわけ、国内でのイベント参加や活動制限の撤廃に証明書を使うことは、接種していない人への差別や摩擦につながりかねない。慎重な議論が不可欠である。

 EUも国内での利用については各加盟国の判断に委ねている。米国では、証明書を積極的に活用する州と、「個人の自由が踏みにじられる」として導入に反対する州の間で分断が生じた。

 ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は、英国が人口の約5割、米国が約4割、EUが約2割なのに対し、日本は大きく出遅れている。証明書よりも接種の迅速な実施が喫緊の課題だ。

 国際的な趨勢すうせいから取り残されれば、日本から海外への渡航に支障が生じかねない。政府は、渡航者が証明書を求められる場合に備え、接種記録のデジタル化を軌道に乗せねばならない。

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2020814 0 社説 2021/04/30 05:00:00 2021/04/30 05:00:00

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