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慰安婦表記 「従軍」の使用は避けるべきだ

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 「従軍慰安婦」という言葉は、強制連行があったかのような誤解を招きやすい。教科書などで使うことは不適当であり、不使用を徹底したい。

 政府は、「従軍慰安婦」という表現を用いることは適切ではないとする答弁書を閣議決定した。日本維新の会の馬場伸幸幹事長の質問主意書に答えた。

 この言葉は、戦時中は存在しておらず、1970年代以降に使われるようになった造語である。その後、旧日本軍が朝鮮人女性を強制連行して前線の慰安所に送り込んだとする吉田清治氏の虚偽証言もあって、国内外で広まった。

 今回、政府が答弁書で、「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切である」との統一見解を示したことは当然である。

 慰安婦の強制連行があったと報じてきた朝日新聞は2014年、吉田氏の証言を虚偽だと認め、過去の記事を取り消した。

 中学校の教科書では、「従軍慰安婦」の記述がなくなっていたが、今年4月から使われ始めた中学校社会(歴史)の教科書の一つに再び登場した。来春から使用される高校の歴史総合でも2社がこの表現を使っている。

 教科書会社には、過去の経緯も踏まえ、誤解が生じかねない用語の使用を避ける責任があることをしっかり認識してもらいたい。

 各教科書会社は、今回の閣議決定を受け、早急に表現の修正を申請すべきだ。文部科学省も今後は、厳格な検定に努めてほしい。

 1993年の河野洋平官房長官談話にも、「いわゆる従軍慰安婦」という表現がある。問題を複雑にしたと言わざるを得ない。

 政府は、戦時中にアジア各国で多くの女性が慰安婦となり、名誉と尊厳を傷つけられたことに対し、おわびと反省を繰り返し表明している。韓国とは政府間の合意に基づき10億円を拠出するなど、問題に真摯しんしに向き合ってきた。

 政府は近年、河野談話を含め、軍による組織的な強制連行はなかったとする立場を明確にし、国際社会への正しい歴史認識の浸透を図っている。教科書での「従軍慰安婦」の使用は、こうした取り組みを損ねるものだ。

 国連の委員会では過去に、慰安婦を「日本軍による性奴隷」と決めつける報告書が出されている。慰安婦を象徴する少女像の設置といった韓国系市民団体による反日活動も続いている。

 事実に基づかない批判をこれ以上拡散させぬよう、政府は対外発信を強化しなければなるまい。

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2023811 0 社説 2021/05/01 05:00:00 2021/05/01 05:00:00

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