読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

中国海上安全法 領海侵入の正当化に使うのか

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や日本船の追尾の根拠にするつもりなのか。国際法に反する中国の法整備の身勝手さを、日本は国際社会に訴える必要がある。

 中国の立法機関が「海上交通安全法」の改正案を可決した。船舶の管理や海上交通の監視を担う海事局の権限を強化し、内海や港湾が中心だった、これまでの活動範囲を外洋に広げる狙いがある。

 改正法は、海事局が「中国の領海の安全を脅かしかねない外国船」に退去を命じ、追跡もできると規定した。「海上交通の安全を害する可能性のある船」が領海に入る際は、報告を義務づけ、違反者に罰金を科せるとしている。

 中国は南シナ海全域に主権が及ぶとし、尖閣諸島も自国の領土だと一方的に主張している。

 これを前提にして、中国が「領海」とみなす海域に改正法を適用することになれば、日本の漁船や調査船が中国に拿捕だほされ、罰金の支払いを強要されかねない。

 海事局は、日本の海上保安庁を上回る1万トン級の巡視船を年内に就役させるという。活動が南シナ海にとどまらず、東シナ海や日本周辺に拡大する恐れがある。

 中国は海上の違法行為を取り締まる海警局についても、2月施行の「海警法」で、主権が侵害されたとみなした場合、武器を使用できると定めた。海警局と海事局が連携し、日本の領海に侵入する事態を警戒せねばならない。

 中国は法整備の目的を「海洋強国建設を法律面で支える」ことだとしている。武器使用や追尾、拿捕などの威嚇で外国船の通航を排除し、領土や領海に関する一方的な主張を既成事実化する狙いは明白だ。到底受け入れられない。

 国連海洋法条約は、沿岸国の平和と秩序、安全を害さない限り、全ての外国船が領海を航行できる無害通航の権利を認めている。中国は尊重すべきだ。

 日本は「外交青書」で、中国の尖閣諸島周辺への領海侵入を「国際法違反」と初めて明記した。中国の急速な軍拡が、地域と国際社会の安全保障上の強い懸念を生んでいるとも指摘した。

 日本は中国に挑発行為の自制を促す一方で、尖閣諸島周辺で起こりうる事態を想定し、対処能力を高める必要がある。

 南シナ海の領有権を争うフィリピンやベトナムも、中国への反発を強めている。中国は法の支配を無視した措置が、各国の警戒を呼び起こし、国益を損ねていることを自覚しなければならない。

無断転載・複製を禁じます
2025666 0 社説 2021/05/02 05:00:00 2021/05/02 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)