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緊急事態延長 ワクチン接種はなぜ進まない

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 「短期集中」を掲げた3度目の緊急事態宣言は感染抑止につながったのか。効果と課題をしっかりと検証すべきだ。同時にワクチンの接種を早急に進めなければならない。

 菅首相は、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月末まで延長することを決めた。感染が広がっている愛知、福岡両県も追加する。

 広範囲の私権制限に踏み込んだ対策だったが、今回は一部を見直すという。休業を求めていた大型商業施設は午後8時まで営業を認める。無観客での開催とされたイベントは、5000人以内かつ収容定員の50%以内に変更する。

 ただ、東京都や大阪府は、大型商業施設への休業要請などを継続するとしている。政府の相次ぐ方針転換や、自治体が独自に打ち出す対策に戸惑う人も多かろう。

 変異型の新型コロナウイルスが流行する地域では、高齢者だけでなく、20~50歳代の重症患者も増えている。自治体ごとの対応の違いが混乱につながらないよう、政府は説明を尽くしてほしい。

 感染の収束に最も有望なワクチン接種は、思うように進んでいない。3月末の完了を目指していた医療従事者への接種は2割にとどまる。約3600万人いる高齢者への接種は1%に満たない。

 なぜなのか。遅れを招いている原因を詳しく分析し、目詰まりを解消することが急務だ。

 自治体が接種を行う米ファイザー製のワクチンは、来週から国内での配送量が3倍に増える。政府は、円滑な接種に向けて十分な支援をしなければならない。

 政府は24日から、東京都と大阪府に自衛隊が運営する大規模接種会場を設けるとしているが、誰がどのように申し込めば良いのか、いまだに詳細がはっきりしていない。政府は、早急に計画を固めて、内容を公表すべきだ。

 医療機関の体制を立て直すことも不可欠である。入院先が確保できない場合、政府が主導して、都道府県境を越えた広域での調整にあたることが重要だ。

 施設や自宅で療養する患者が重症化しないよう、開業医が訪問診療やオンライン診療で対応する仕組みを整えてほしい。感染者が急増している地域では、医療従事者の派遣体制や、仮設の療養・医療施設の整備を図りたい。

 検査を拡充し、感染者を早期に発見して、広がりを抑える体制を整えることが大切だ。少しでも症状があれば検査を受けてもらい、隔離につなげる必要がある。

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2036613 0 社説 2021/05/08 05:00:00 2021/05/08 05:00:00

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