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国家公務員離れ 人材獲得へ総合的検証が要る

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 学生の国家公務員離れに歯止めがかからない。政策遂行を担う人材を確保するため、政府は、総合的な観点から現状を洗い直さねばならない。

 今春の国家公務員総合職試験の申込者が、前年度比14・5%減の1万4310人にとどまった。5年連続のマイナスで、現行の制度となった2012年度に比べて4割も減少した。

 新型コロナウイルス流行の影響で地元志向が高まり、地方公務員の人気は回復している。だが、キャリア官僚と呼ばれる中央官庁の総合職は、敬遠される傾向が強まっているという。

 また、若手の離職が目立っている。内閣人事局によると、19年度に自己都合で退職した20歳代の総合職は86人に上り、13年度から約4倍に増えた。

 仕事にやりがいを見いだせず、長時間労働で疲弊する若手や中堅の職員は少なくない。先輩の姿を見て学生が就職意欲を失うのは、やむを得ない結果と言えよう。

 優秀な人材が集まらなくなれば、官僚組織は劣化し、政策の立案能力や推進力が低下しかねない。国益に直結する課題として、政府は重く受け止め、有効な手立てを講じる必要がある。

 早急に取り組むべき課題は、長時間労働の是正である。

 政府が、昨年12月から今年2月の各省庁の残業時間を調査したところ、月100時間を超える残業をした職員は延べ2999人に上った。コロナ対応のため、月に360時間を超える残業をしていた内閣官房職員もいた。

 長引くコロナ禍で業務が増えているとは言え、「過労死ライン」を上回る超過勤務が常態化しているのは好ましい状況ではない。

 業務量に応じて職員を手厚くするなど、弾力的な人事管理が不可欠だ。省庁の垣根を越えた異動も増やしたい。勤務実態を適切に把握し、業務と人員配置の見直しを進めることが大切である。

 官僚が疲弊する要因の一つに、国会議員の質問通告が遅いことがある。大勢の職員が深夜まで待機を強いられるのを避けるため、与野党は、2日前に内容を通告するという原則を順守すべきだ。

 与野党の議員が政治主導をはき違え、高圧的な指示や追及を重ねるようでは、官僚はやりがいを失い、将来を見据えた政策立案にも支障が生じるだろう。

 官僚組織の規律を高め、力を発揮できるようにするのが政治の役割だ。政と官の望ましいあり方に向けて、知恵を絞ってほしい。

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2039717 0 社説 2021/05/10 05:00:00 2021/05/10 05:00:00

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