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東電新会長 社員の意識を変革できるか

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 東京電力ホールディングス(HD)の会長に、前経済同友会代表幹事の小林喜光氏が就任することになった。新体制の下で、全社員が企業体質の改革に真剣に取り組むべきだ。

 東電は、福島第一原子力発電所事故後の2012年に実質的に国有化され、外部から会長を招いてきた。3人目となる前任の川村隆氏(元日立製作所会長兼社長)は昨年6月に退任し、会長職は空席となっていた。

 経営改革は成果を上げているとは言えない。社内には、官僚体質や責任感の希薄さが根強く残り、外部から起用した会長らの尽力も空回りが目立った。

 記者会見で小林氏は、「国民の信頼を大きく失う事案が発生している。課題山積みだ」と述べ、現状に憂慮を示した。

 新潟県の柏崎刈羽原発では、社員が他人のIDカードで中央制御室に入ったことや、侵入を検知する複数の機器の故障が放置されていたことが判明した。福島第一原発では、地震計が壊れたままだったことがわかったという。

 トップのリーダーシップによる企業統治の強化とともに、社内風土の改善が不可欠だ。

 三菱ケミカルHD会長の小林氏は同友会で企業統治の重要性を訴えてきた。東電の社外取締役を経験し、東電の事業計画を決める国の機関の運営委員でもある。改革に手腕を発揮してほしい。

 福島第一原発の敷地内にたまる処理水の海洋放出も課題である。政府の決定を受け、東電は23年をめどに放出を始める方針で、安全性の確保と風評被害を防ぐ丁寧な説明などに努めねばならない。

 経営立て直しも急務だ。東電は、福島第一原発の廃炉や賠償などの費用として16兆円の負担が必要だと試算され、17年に作った再建計画では、毎年5000億円の費用を捻出することになっている。

 21年3月期連結決算ではその目標に届いていないという。原資となる利益を伸ばす上で期待されているのが柏崎刈羽原発の再稼働だが、不祥事で原子力規制委員会が核燃料の移動禁止命令を出したため、当面は実現が難しい。

 電力自由化で、新規参入した会社に3割近くシェア(市場占有率)を奪われているのも痛手だ。

 営業力の強化と原発の再稼働に向け、失われた信頼の回復を地道に目指すしかあるまい。それには、小早川智明社長以下、グループで3万8000人いる社員に自覚を持たせることが必須だ。小林氏の最も重要な仕事である。

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2042362 0 社説 2021/05/11 05:00:00 2021/05/11 05:00:00

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