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五輪開催の賛否 選手を批判するのは筋違いだ

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 新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず、東京五輪・パラリンピックの開催中止を求める声が上がっている。

 だからといって、選手に参加を辞退するよう迫ったり、非難の矛先を向けたりするのは筋違いである。

 競泳の東京五輪代表に内定した池江璃花子選手のSNSに、こうしたメッセージが相次いで寄せられているという。

 白血病と闘ってきた池江選手は、昨年7月に国立競技場で開かれた五輪イベントで世界に向けてメッセージを発信するなど、大会の象徴的な存在となっている。

 五輪の中止を望んでいる人たちの一部は、そんな池江選手が出場を取りやめれば、開催の機運もしぼむと考えたのだろうか。

 池江選手は自身のツイッターで、五輪中止を求める声に対し、「仕方なく、当然のこと」と理解を示す一方、「私は何も変えることができない。それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と心境を吐露している。

 SNS上には池江選手への中傷も見られる。丸川五輪相が「いかなる理由があっても許されない」と述べたのは当然だ。五輪の開催を巡り、心ない言葉を投げかけられている選手は他にもいる。

 五輪の中止を求めるなら、政府や東京都などに向けて声を上げるべきである。出場を目指して努力を重ねてきたアスリート個人に、「辞退して」「反対の声をあげて」と要求するのは、あまりに酷な注文で、配慮を欠いている。

 五輪開催の是非論に、選手を無理やり巻き込むべきではない。

 SNSは一般に匿名性が高く、言葉が過激化しやすい。コロナ禍のストレスや感染への不安もあるのかもしれないが、書き込む前に、内容は適切か、相手を傷つけないか、一呼吸置いて考えたい。

 読売新聞の全国世論調査では、五輪を「中止する」が59%で最も多く、「開催する」は「観客数を制限して」と「観客を入れずに」を合わせた39%にとどまった。

 菅首相は「安全、安心な大会の実現に全力を尽くす」と開催に意欲的だが、大会実現の具体策は示していない。開催への批判が選手に向かう背景には、政府や都などが十分な説明をしないことへの苛立いらだちがあるのではないか。

 観客は入れるのか、選手やコーチの安全はどう確保するのか、開幕までにワクチン接種はどの程度進むのか。政府はこうした点を早急に明確にして、国民や各国の選手たちに伝えねばならない。

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2044962 0 社説 2021/05/12 05:00:00 2021/05/12 05:00:00

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