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経団連新会長 国際課題への対応が問われる

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 経団連の中西宏明会長(日立製作所前会長)が病気を理由に任期半ばで退任し、住友化学の十倉雅和会長が後任に就任する人事が決まった。

 異例の緊急登板となるが、十倉氏は中西氏の改革を引き継ぎ、山積する課題に対処してほしい。

 中西氏は、巨額赤字に陥った日立の業績を急回復させた実績を買われ、2018年に経団連会長に就くと、「直言型」の情報発信で数々の施策を打ち出してきた。

 一部の慎重論を押し切り、就職活動の慣例となっていた経団連の就活ルールを廃止するなど、日本型雇用の見直しに力を入れた。原子力発電所の再稼働も訴えた。

 経団連の入会要件を緩和して新興企業の加盟を促したほか、IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長を女性初の副会長に内定し、会員企業や人材の多様性も重視した。そうした改革の流れを加速させたい。

 記者会見で十倉氏は、中西氏が進めた路線を「しっかり踏襲する」と述べた。十倉氏は、知名度こそ高くないが、住友化学では海外企業との交渉を多く手がけた国際派で、気候変動問題やデジタル分野にも詳しいという。

 課題の解決に、その知見を最大限に生かすことが望まれる。

 新型コロナウイルスの感染収束はなお見通せない。テレワークの拡大や企業の感染抑止策の徹底など、経団連が一段と積極的な役割を果たさねばならない。

 脱炭素化に向けて、政府は30年度までに、温室効果ガスの排出量を13年度比で46%減らす目標を掲げているが、経団連内には性急な動きだとの声が残っている。住友化学を含む化学製品業界も、二酸化炭素の排出が多い。

 産業界全体での協力の強化や意見集約で、十倉氏の調整力が問われることになる。

 米中対立が激化する中、経済安全保障が重要な論点だ。中国に依存しないサプライチェーン(供給網)作りなどの面で、企業の連携を主導してもらいたい。

 米国の経営者団体は19年、株主への配分を最優先する「株主第一主義」から脱却し、従業員や地域など社会の利益を追求する経営に転換すべきだと宣言した。

 経団連も、格差の是正や女性の登用、人権問題への配慮といった世界で注目されるテーマへの対応を急ぐ必要がある。

 製造業が中心の経団連は影響力の低下が指摘されている。企業の事情より、広く国民に目を向けた政策提言に注力すべきだ。

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2047667 0 社説 2021/05/13 05:00:00 2021/05/13 05:00:00

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