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避難計画 災害弱者の逃げ遅れを防げ

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 地震や水害で高齢者らが被害に遭う例が相次いでいる。災害弱者の避難計画作りを通じ、地域の防災力を高めたい。

 改正災害対策基本法が成立した。自分で逃げることが難しい人に関し、個別の避難計画を作成するよう市町村に努力義務を課すことが柱である。

 対象となるのは、介護が必要な在宅の高齢者や障害者らだ。一人一人について、災害時の避難場所や自宅からの経路、支援者を記載することを求めている。

 逃げ遅れを防ぐための基礎となる情報を、あらかじめまとめておく意義は小さくない。

 東日本大震災では、死亡者の6割を高齢者が占めた。これを受けて、政府は2013年、災害弱者の名簿作成を市町村に義務付けるとともに、個別の避難計画作成を呼びかけた。

 大半の市町村は名簿作りを終えたものの、3割は避難計画の策定に至っていない。

 健康状態や同居する家族の有無など、それぞれ事情は異なり、実態に即した計画にすることが必要だ。自治体は、本人や家族、福祉関係者、地域住民らと丁寧に協議し、作成を進めてほしい。

 大分県別府市は、担当のケアマネジャーらに参画してもらい、1人分の計画について7000円支払っている。避難先で必要なケアや薬、車いすの有無、かかりつけの病院の連絡先などを確認し、計画に盛り込んでいるという。

 事情を知る専門家にかかわってもらうことは、本人に安心感をもたらすだろう。

 別府市は、地域が一体となって災害弱者を支援する体制作りにも力を注いでいる。市職員らが小中高校や大学に出向いて、高齢者や障害者の現状に関する授業を行い、PTAなどに避難訓練への参加を呼びかけているという。

 自治体は、様々な機会をとらえて、高齢者と地域住民がふれあう機会をつくることが大切だ。支援が必要な人を普段からよく知っているという状況が望ましい。

 避難所の充実も課題である。自治体は、ケアが必要な人のために、高齢者施設などを福祉避難所に指定している。だが、すでに入居している人に加え、新たに避難者を受け入れる余力のある施設は少ないのが実情だ。

 自治体は、施設間での職員の連携や、物資面の支援を強化して、避難先を増やしてもらいたい。

 現場の声によく耳を傾け、課題を着実に解決していくことが、災害に対する備えにつながろう。

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2050314 0 社説 2021/05/14 05:00:00 2021/05/14 05:00:00

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