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スコットランド 英国の一体性を揺るがす民意

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 英国の欧州連合(EU)離脱がもたらした副作用の一つではないか。ジョンソン政権は、英国の一体性を揺るがす分離独立の動きにどう対処するか手腕が問われる。

 英北部スコットランドの議会選で、独立とEU加盟を掲げるスコットランド民族党(SNP)が、議席を上積みして第1党の座を守った。他の小政党と合わせ、独立派が過半数を確保した。

 英国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドからなる「連合王国」だ。面積32%、人口8%のスコットランドでの独立運動の高揚は、国家の分裂リスクを高めかねない。

 SNP党首は、「新型コロナウイルスの感染収束後に独立の可否を問う住民投票を実施する」と強調した。ジョンソン首相は、住民投票を拙速に行ってはならないという考えを示している。

 スコットランドでは、2014年の住民投票で、独立反対が賛成を上回る結果が出ている。国の根幹に関わる重大な問題を再び住民投票に委ねることに、ジョンソン氏が慎重なのは当然だ。

 独立機運が高まったのは、EU離脱の影響が大きい。スコットランドでは、残留を望んだ人が多数派だった。人口・面積が突出して大きいイングランドの陰で残留派の意向が尊重されなかったという感情的なしこりが残っている。

 離脱を主導したジョンソン氏への反発が、SNPの支持拡大につながったのだろう。

 ただ、「独立によって、より豊かで公正な国を作れる」というSNPの主張には疑問が多い。財政や通貨のあり方、EU加盟などで実現性が厳しく問われる。

 スコットランドはすでに、教育や税制の一部など幅広い自治権を有している。ジョンソン政権は、コロナ禍の下での医療体制強化など、全国的な課題でスコットランド側と意思疎通を図り、政策に反映していくことが不可欠だ。

 スコットランド住民の政権不信を和らげるためには、EUとの関係改善も重要になる。

 離脱後、対EU貿易で通関手続きが必要となったため、輸出のコストが増し、水産業などが打撃を受けているという。英国とEUの貿易円滑化が急務である。

 北アイルランドではかつて、英国とアイルランドのどちらに帰属するかを巡り、流血の紛争が起きた。EU離脱の余波で、対立の再燃が懸念されている。微妙なバランスが崩れないよう、英国とEUは配慮する必要がある。

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2053292 0 社説 2021/05/15 05:00:00 2021/05/15 05:00:00

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