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パレスチナ衝突 地域紛争への拡大を懸念する

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 イスラエルとパレスチナの武力衝突が激化している。地域紛争に発展しないよう、早期に抑え込まねばならない。当事者の自制はもちろん、米国の関与強化も必要だ。

 イスラエル軍は連日、イスラム主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに空爆を加え、ハマスもロケット弾攻撃を続けている。戦闘開始から1週間となり、2014年以来、最大規模の衝突に発展した。

 双方とも、民間人に死傷者が出ている。人的被害の拡大は放置できない。まずは一時停戦で合意し、暴力の連鎖に歯止めをかけることが重要だ。日本も停戦要求の声を高める必要がある。

 ユダヤ人による1948年のイスラエル建国以来、土地を追われたパレスチナ人との紛争は絶え間なく続いてきた。

 近年は、イスラエルのネタニヤフ首相の強硬路線が対立に拍車をかけた。安定政権を築けず、汚職疑惑で失脚の危機にある中で、あえて緊張を高めて求心力の回復を図っているのではないか。

 パレスチナの政治状況にも問題が多い。自治政府のアッバス議長は、5月に予定していた15年ぶりの評議会選挙を直前になって延期した。ハマスは、アッバス氏が敗北を恐れたとみなし、支持拡大の好機が来たと考えたのだろう。

 エルサレムのイスラム教聖地周辺で、パレスチナ人とイスラエル治安部隊が流血の衝突を繰り返したのに乗じて、ハマスは攻撃を開始した。イスラエルの存在を否定し、武力に訴える過激な行動を、自治政府は抑えられずにいる。

 火種が周辺国に拡大しているのは懸念材料だ。レバノンでは、イスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエルへの攻撃を試みたという。ヨルダンでも、イスラエルに対する抗議運動が起きている。

 ハマスやヒズボラを軍事支援しているイランなどが介入を深め、状況をさらに複雑にすることがあってはならない。中東の紛争激化は、ロシアや中国の影響力拡大を招く恐れもある。

 バイデン米大統領は現地に高官を派遣し、事態の沈静化を呼びかけているが、停戦につなげられるかどうかは不透明だ。対中国戦略を優先し、中東外交が後手に回っていたのは否めない。

 トランプ前政権の極端な親イスラエル政策が、ネタニヤフ氏の強硬姿勢を後押しした経緯もある。過剰な攻撃やガザ侵攻は国際的な孤立を招くだけだということを、バイデン氏は説くべきだ。

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2059407 0 社説 2021/05/18 05:00:00 2021/05/18 05:00:00

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