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入管法見送り 長期収容の弊害是正が必要だ

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 不法滞在の外国人を、入国管理施設に長期収容する運用が常態化している。法改正の見送りで解消は遠のいたが、人権に配慮しつつ、早期の改善を実現しなければならない。

 外国人の収容を見直す出入国管理・難民認定法改正案について、政府・与党が今国会での成立を断念した。衆院で審議されていたが、名古屋市の入管施設で3月、スリランカ人女性が死亡したことを巡って野党が反発を強めていた。

 女性は留学ビザで来日し、学費が払えずに退学した後、不法滞在状態となった。同居していた男性の家を出て警察に出頭し、半年間、入管施設に収容されていた。

 遺族は、女性の体調が悪化したのに、必要な医療を受けられなかったと訴えている。法務省は、対応に問題がなかったのか、外部の第三者を交えて調査し、事実関係を速やかに公表すべきだ。

 法務省の中間報告書には、女性の容体を懸念した医師が仮放免を勧めたことが記載されていなかった。国会での政府側の説明も十分とは言えず、審議の混乱を招く一因となった。入管行政全体への不信感につながりかねない。

 入管施設では、半年以上の長期収容者が目立ち、5年を超える人もいる。2007年以降、収容中に死亡した外国人は17人に上り、長期収容に抗議するハンガーストライキも起きている。管理・医療体制の検証が必要だ。

 収容が長期化する背景には、退去処分を受けても帰国に応じない外国人が増えているという現実がある。20年末時点で入管施設に収容されている約350人のうち、7割が送還を拒否している。

 政府が今国会に提出した入管法改正案は、長期収容の解消を目指すものだった。送還前の外国人全員を収容する原則を改め、支援者らの監督下で生活することを認める制度も盛り込んでいた。

 生活環境の改善につながる柔軟な制度として評価できよう。

 同時に、難民申請を3回以上行った場合は、申請中でも送還できることを明記した。送還を逃れる目的で、難民申請を繰り返すケースが相次いでいるためだ。

 送還された外国人は、現行法では5年間、日本に再入国できないが、自発的に出国すれば1年間に短縮する予定だった。違法状態を解消し、正規に再来日できる方策として有効と考えられる。

 法改正が先送りになったからといって、現状を放置するのは好ましくない。与野党は引き続き、議論を深めてもらいたい。

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2064632 0 社説 2021/05/20 05:00:00 2021/05/20 05:00:00

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