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緊急事態延長 ワクチン接種に全力を挙げよ

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 感染者数は減りつつあるが、まだ十分な水準ではない。緊急事態宣言の延長で人の流れを抑制している間に、ワクチン接種を加速して感染を封じ込めねばならない。

 政府は、東京都など9都道府県に発令中の緊急事態宣言について、6月20日まで延長することを決めた。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の5県とともに、当初から20日が期限だった沖縄県とそろえる形となった。

 新型コロナウイルスの新規感染者数は各地で頭打ちとなり、減少に転じている。ただ、変異ウイルスは感染力が強く、減少のペースが鈍い。病床の逼迫ひっぱくも解消されておらず、延長は妥当だろう。

 菅首相は記者会見で「収束の切り札がワクチンだ。1日100万回を目指す」と強調した。

 ワクチンの供給は本格化してきたものの、1日の接種回数は50万回ほどで、目標には及んでいない。接種体制の目詰まりを解消することが急務である。

 歯科医に加え、全国に20万人いる臨床検査技師らも活用し、打ち手を確保することが重要だ。時間がかかる予診はオンライン診療で済ませるなど、従来の枠にとらわれない措置も検討すべきだ。

 普段から患者の様子を把握しているかかりつけ医なら、接種の可否はすぐ判断できよう。和歌山県は、身近な医療機関を中心に順調に進めており、他の自治体にも参考になるのではないか。

 ファイザー製ワクチンを用いる市町村の会場に加え、政府は、東京や大阪の大規模接種会場でモデルナ製を導入し、二重のルートができた。さらに、職場や大学などにも広げ、高齢者以外にも柔軟に拡大していくことが大切だ。

 東京都や大阪府は、映画館や美術館、百貨店などに対する休業要請について、一部緩和するという。文化・芸術活動は、社会にとって不可欠なものだ。適切な感染対策をとっている施設の営業を認めるのは当然である。

 政府は、飲食店などの事業者に対し、休業協力金や支援金による救済策を講じてきた。だが、支給が大幅に遅れている例もあるという。経済的な苦境は1年以上に及んでいる。手続きを簡素化し、迅速に給付してもらいたい。

 国内のウイルスは、すでに大半が英国型に置きかわったという。感染力がさらに1・5倍とされるインド型の発見も相次ぎ、今後、主流になる恐れがある。水際対策を強化し、国内への流入を食い止めることが必要だ。

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2085708 0 社説 2021/05/29 05:00:00 2021/05/29 05:00:00

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