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ネット融資仲介 高い利回りにはリスクも伴う

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 インターネットで個人投資家から小口の資金を集めて事業者に融資する「ソーシャルレンディング(SL)」を巡るトラブルが相次いでいる。

 SLを手がけていたネット金融大手SBIホールディングス(HD)傘下の「SBIソーシャルレンディング」で投資家への不適切な勧誘が発覚した。

 SLは、新ビジネスへの投資や寄付を募る「クラウドファンディング(CF)」の一種で、「融資型CF」とも呼ばれる。

 SBI側の報告書によると、太陽光発電事業者の工事案件に約380億円を貸し付けたが、投資家に説明した使途とは異なり、他の事業資金の返済などに使われていた。工事も遅れていたという。

 事業者に対する審査がずさんなうえ、融資担当者は工事の進捗しんちょくを定期的に確認していなかった。SBIの看板を信じて、お金を投じた投資家を裏切る行為である。

 SBIHDの北尾吉孝社長は記者会見で、「(グループの)300社以上を細かく見るわけにはいかない」と述べた。顧客からお金を預かる企業としての自覚を欠く発言といわれても仕方ない。

 SBI側は、SL事業からの撤退を表明した。事業を廃業し、投資家には元本相当額を償還するとしているが、顧客に不安を与えた責任は免れない。

 金融庁は金融商品取引法に基づき、SBIソーシャルレンディングに報告を求めている。虚偽の説明で資金を得たことを重く見て、行政処分も検討している。

 金融庁は、SL業者の登録を所管しており、監督する責務がある。今回の不祥事を機に、問題点を洗い出し、再発防止につなげなければならない。投資家を保護するための規制を検討すべきだ。

 近年、他のSL業者でも、管理体制の不備などで行政処分を受ける事例が続出している。貸付金が当初の目的通りに使われておらず、SL業者側による点検も不十分だったケースが多い。

 SLは、少額で投資できることや、数%~10%という比較的高い利回りで、若い世代を中心に投資家の人気を集めている。国内市場は急拡大しているとされる。

 ただ、SLには預金を保護する銀行法のような枠組みはない。銀行と異なり、焦げ付いた際の損失は投資家が負うため、融資の審査も甘くなりがちだという。情報開示の制度も整っていない。

 投資家側も、高い利回りを得るためにはリスクが伴うことを十分に理解しておきたい。

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2105902 0 社説 2021/06/07 05:00:00 2021/06/07 05:00:00

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