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池田小事件20年 学校の安全を再確認したい

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 大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件から20年がたった。事件の教訓を忘れることなく、「学校の安全」を改めて確認する契機にしたい。

 事件では、包丁を持って校内に侵入した男が次々と児童を襲い、1、2年生8人が死亡し、教員2人を含む15人が重軽傷を負った。当時、不審者が外部から侵入する事態は想定されておらず、防犯体制の不備が指摘された。

 こうした反省から、現在は大半の学校が危機管理マニュアルを策定し、教職員の役割分担や避難誘導について定めている。児童生徒の登下校時を除いて校門は施錠されるようになり、防犯カメラやセンサーの整備も進んだ。

 不審者の学校施設への侵入は、この20年間で大幅に減り、対策は格段に進んだと言える。

 それでも子供が危険にさらされる事案は起きている。2014年には、群馬県内の小学校に白昼、ナイフを持った男が乱入した。池田小事件を機に導入した「さすまた」で、教職員が男を取り押さえ、子供たちは難を逃れた。

 今年5月にも横浜市内の小学校に男が入り込み、教員に包丁を突きつける事件があった。児童にけがはなかったが、各地の学校は、安全対策に隙がないか、改めて点検してもらいたい。

 兵庫県では、教室や階段、廊下の改修状況を保護者に知らせるため、画像をインターネットに公開していた小学校があった。

 防犯上、不安だとの指摘を受けて削除されたが、犯罪者が侵入の手がかりにする恐れもあった。こうした点にも気を配りたい。

 池田小事件の発生当時を知らない若い教員が増えてきた。学校は「子供の生命を預かっている」という意識を持つことが大切だ。

 文部科学省は19年度から、大学の教職課程で、事件事故や災害時の危機管理などを必修とした。教員になった後も学校安全に関する知識を動画で学習できる教材を開発し、活用を促している。

 デジタル社会の到来など、子供や学校を取り巻く環境は急速に変化している。教職員は、安全に関する情報や知識を絶えず更新し、対策に生かしてほしい。

 地域ボランティアによる巡回や警備を行う学校の割合は一時、高まったが、近年は減少傾向にある。事件の記憶が薄れ、地域全体で安全対策に取り組む姿勢が弱まっているとしたら問題だ。

 学校は、家庭や地域と連携を深め、共に子供たちを守り、育てていくことが重要である。

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2113610 0 社説 2021/06/10 05:00:00 2021/06/10 05:00:00

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