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東芝調査報告書 総会に国の介入はあったのか

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 株主総会は、会社の意思決定を行う最も重要な場である。東芝と政府が連携し、総会の運営をゆがめていたとすれば問題だ。両者は説明責任を果たさねばならない。

 東芝は、昨年7月の定時株主総会について、「公正に運営されたものとはいえない」とする外部調査の報告書を公表した。

 東芝が経済産業省と一体となって、海外ファンドに株主提案の取り下げを要請したほか、他のファンドには提案に賛成しないよう働きかけたと指摘している。

 2015年の会計不祥事の発覚後、東芝はトラブルが続いていた。企業統治の強化を求める動きを軽視することは、容認できない。

 外部調査は、企業に改革を迫る「物言う株主」として知られる外資ファンド「エフィッシモキャピタルマネージメント」が要求していた。旧村上ファンド出身者が運営しており、調査にあたる弁護士はエフィッシモ側が選んだ。

 エフィッシモは総会で、自らが推す社外取締役4人を選任する株主提案を予定し、当時の車谷暢昭社長最高経営責任者(CEO)の再任には反対する姿勢を示していた。東芝は、経産省に株主対応への支援を頼んでいたという。

 一方、昨年施行された改正外国為替及び外国貿易法(外為法)は、安全保障上、重要な日本企業への外国資本の出資規制を強化した。原子力発電所や防衛関連などの事業を手がける東芝は「コア業種」に指定されている。

 経産省が、厳しく審査するのは当然だが、安保上の問題がないのに、経営陣にとって都合が悪いというだけの理由で、「物言う株主」を排除するのは筋が違う。

 そのことを混同すれば、海外投資家の不信感が高まり、政府が目指している海外からの投資拡大に水を差しかねない。

 水面下でエフィッシモとは別のファンドに株主提案に賛同しないよう促すなど、透明性を欠く動きがあったとすれば、法の趣旨に反していると言わざるを得ない。

 報告書は、東芝が経産省に、大株主だったハーバード大学の基金に議決権を行使しないよう求めることを依頼したと指摘した。実際に基金は行使を見送っている。

 この問題は5月に国会で取り上げられ、経産省は関与を否定した。今回の報告書も根拠は不明確だとしている。報告書は、主にファンド側の視点に基づくものとみられ、全体像は不明な点が多い。

 経産省と東芝は十分に調査し、疑念を晴らすべきだろう。

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2118743 0 社説 2021/06/12 05:00:00 2021/06/12 05:00:00

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