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骨太方針決定 目標の羅列では意味がない

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 テーマや目標を並べただけでは意味がない。新型コロナウイルスの感染収束後を見据え、日本経済に活力を取り戻すための長期的な戦略を明確に示してもらいたい。

 政府は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。菅内閣として初めての骨太の方針となる。温室効果ガスの排出をなくす脱炭素や官民のデジタル化を、コロナ後の経済成長に向けた原動力と位置づけた。

 方向性は妥当だが、内容は各省庁の従来施策の寄せ集めで、踏み込み不足と言わざるを得ない。

 気候変動対策では、再生可能エネルギーを最大限導入すると強調し、必要な送配電網・電源への投資を着実に実施するとした。

 ただ、電力自由化の影響で経営余力に乏しい電力会社に投資を促す方策や、二酸化炭素を出さない原子力発電所の再稼働に向けた政府の役割は明示していない。

 デジタル分野では、行政手続きの大部分を5年以内にオンライン化することを盛り込んだ。今秋には菅首相の肝いりでデジタル庁が発足するが、各省庁と自治体間の連携不足という長年の課題にどう切り込むかは不透明なままだ。

 コロナ対応では、日本は欧米各国と比べて人口あたりの病床数が多く、感染者数は少ないにもかかわらず、医療提供体制が 逼迫ひっぱく する事態を繰り返している。

 その反省から、骨太の方針は、緊急時の病床や医療従事者の確保について、国や自治体の権限を強化することを検討するとしたものの、方法ははっきりしない。早期に具体策を打ち出してほしい。

 巨額のコロナ対策で急速に悪化した財政をどう立て直すか。本来、骨太の方針で方向を示すべき戦略は、さらにあいまいだ。

 国と地方の基礎的財政収支を2025年度に黒字化する従来の目標を堅持しつつ、今年度中に改めて目標年次を確認するという。

 達成が不可能なことが明らかであるにもかかわらず、今年秋までに行われる衆院選を意識し、目標見直しの議論を先送りしたとみられても仕方ない。

 22年からは団塊の世代が後期高齢者になり始め、社会保障費の伸びが加速する。財政再建への道筋を描き直さねばならない。

 首相は、携帯電話料金の引き下げなど、国民に身近な個別の政策に熱心に取り組む一方、国家のビジョンが見えないと指摘されている。首相が目指す日本のあり方が、国民にしっかり伝わるような骨太の方針にすることが望まれる。

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2137641 0 社説 2021/06/19 05:00:00 2021/06/19 05:00:00

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