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育児休業法改正 男女が共に子育てする社会に

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 男性が育児休業を取得しやすくするための、育児・介護休業法改正が通常国会で実現した。男女が共に子育てに携わる社会を作りたい。

 男性の育休取得率は、2019年度で8%弱にとどまっている。政府が掲げる「25年に30%」という目標の実現には程遠く、80%以上が取得する女性との差は歴然としている。

 育児や家事の負担が女性に偏っている状況は、女性が出産をためらい、少子化を招く大きな要因となっている。女性が仕事を続けるうえでも妨げとなる。

 法改正の柱の一つは、職場環境の整備だ。従業員に子供が生まれる場合、育休制度の内容を説明し、取得するかどうかを確認するよう、企業に義務づけた。

 各企業は、育児にかかわる男性社員が増えるよう、積極的に取得を呼びかけてもらいたい。

 もう一つの柱は、子供の出生後8週間以内に、男性が最大4週間取れる新たな制度の創設だ。

 これまでの育休は、子供が1歳になるまでの間に1回取得することを原則としていた。新制度導入により、出生直後とその後の分割取得がより容易になるという。

 女性の身体的、精神的負担が大きい時期に、男性がおむつ替えや上の子の面倒、家事などを担えるようにする狙いがある。

 出生時の育休は、2週間前までに会社に申請すれば取得できることとし、従来の「1か月前まで」から短縮した。

 さらに、休業期間中でも、本人の都合次第で一定の範囲で就労できるようにもする。働ける日数の上限は、省令で定めるという。

 新制度を活用し、職場の雰囲気を改善していくことが重要だ。

 厚生労働省の調査によると、過去5年間に育児休業などを利用しようとした男性の4人に1人が、「職場で嫌がらせをされた」「人事考課で低い評価を受けた」などの経験があると答えている。

 その反面、育休取得を推進する企業もある。

 積水ハウスは、3歳未満の子供を持つ男性社員全員が1か月以上の育休を取ることを目標に掲げている。上司が面談し、育休取得の時期を聞いたうえで、休業中に支障が出ないよう、業務の引き継ぎも入念に行っているという。

 人手不足の中小企業などに対しては、労務管理の専門家による助言といった支援も必要だろう。企業は、男性の育休取得が増えることを前提に、要員や業務の見直しに努めてほしい。

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2139432 0 社説 2021/06/20 05:00:00 2021/06/20 05:00:00

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