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米国の金融政策 緩和規模の縮小を慎重に探れ

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 米国の中央銀行による利上げや量的緩和の縮小が世界経済に与える影響は大きい。景気の過熱状況や物価動向を見極めつつ、実施時期などを慎重に探ってもらいたい。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、事実上のゼロ金利政策を解除する時期の見通しを、これまでの「2024年以降」から「23年中」に前倒しすると発表した。

 国債などを買い入れることで市場に大量の資金を供給している量的緩和の規模縮小も、7月以降に本格的な検討に入るという。

 FRBは新型コロナウイルス対策として、昨年3月、ゼロ金利政策と大規模な量的緩和を始めた。今回の発表は、非常時の政策を元に戻す方針転換と言えよう。

 米景気は、ワクチン普及による経済活動の正常化で急回復しており、緩和縮小は自然な流れだ。

 金融緩和による金余りで、米株式市場は史上最高値圏にある。不動産価格も高騰し、格差の拡大を招いているとの指摘がある。

 5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5・0%上昇と、12年9か月ぶりの高い伸びになり、インフレ懸念が出始めている。

 パウエルFRB議長は、物価上昇について「一時的」との認識を示すが、バイデン政権は財政政策を重視する「大きな政府」を志向し、家計への現金給付など巨額の経済対策を打ち出している。

 金融と財政のフル活用で景気が過熱し、インフレが加速する事態は防がねばならない。

 一方、世界を 牽引けんいん する米国の金融政策が実際に引き締め方向に転じれば、多方面に波及する。

 米国の金利が上がると、高い利回りを求めて新興国に投じられていた資金が、流出しやすくなる。米国に資金が逆流してドル高になり、新興国のドル建て債務が膨らむなど、特に新興国への大きな打撃が予想されている。

 13年に、当時のバーナンキFRB議長が量的緩和の縮小を示唆した際、新興国の通貨安や株安が起きて、世界の金融市場が大混乱した例がある。

 今回のFRBによる発表の後、米国の株価は下落している。米株式市場は「バブル」状態だとの見方があり、対応を誤れば、再び市場が動揺しかねない。FRBの丁寧な情報発信が不可欠だ。

 カナダの中央銀行が量的緩和の縮小を決めるなど、米国以外にも同様の動きが広がりつつある。日本では金融緩和の正常化は見通せないが、日本銀行は世界の動向が及ぼす影響を注視すべきだ。

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2139433 0 社説 2021/06/20 05:00:00 2021/06/20 05:00:00

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