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ミャンマー情勢 不介入は軍統治の追認になる

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 クーデターで政権を奪ったミャンマー軍が、統治の既成事実化を進めている。国際社会の不介入は現状の追認に等しい。国連を中心に軍への圧力を強めねばならない。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は4月の首脳会議で、「暴力の即時停止」や「当事者間の対話開始」、「ASEAN特使のミャンマー派遣」など5項目で合意したが、何一つ実現していない。

 軍は、国内の安定が回復した後に合意を実行すると一方的に留保をつけている。骨抜きを狙っているのは明らかだ。

 ASEANの関与は、軍に自制を促す目的があったが、結果的に軍が統治体制を固める時間稼ぎに使われた形になっている。

 軍は、政権を担っていたアウン・サン・スー・チー氏や国民民主連盟(NLD)の幹部らの拘束を続けている。民主派勢力が作った新組織は非合法化された。

 国民の人気が高いスー・チー氏や昨年11月の総選挙で圧勝したNLDを政治から排除した後に総選挙を行い、軍統治を正式に確立する狙いだろう。クーデターの正当性も国民の支持も乏しいことの裏返しにほかならない。

 都市部で頻発していた抗議デモは、軍の発砲による犠牲を避けるために小規模化している。軍への不服従運動として出勤を拒否していたが、生活が苦しくなり、やむなく職場に復帰する人も出始めた。学校も再開されている。

 日常生活が戻ったように見えても、国民が現状を認めたわけではない。物資の不足に加えて、最近は新型コロナウイルスの変異株が急速に拡大している。ワクチン接種も医療体制も追いついていない。深刻な人道危機だ。

 地方や辺境部では、少数民族の武装勢力や武器を持った市民が軍と交戦し、本格的な内戦に発展する事態が危惧されている。避難民は15万人に上るという。

 国際平和と安全を担う国連安全保障理事会が今後も静観を続けるのは許されない。国連特使や国際機関が現地に入り、支援や介入に動く必要がある。

 拒否権を持つ常任理事国の中国とロシアの反対が圧力強化策を阻んでいる。中露は安保理の機能をこれ以上損ねてはならない。日本も国連で声を上げるべきだ。

 先進7か国(G7)は先の首脳会議で、ミャンマー問題での結束を確認した。欧米とは異なり、軍への制裁を行っていない日本は、政府開発援助(ODA)の全面停止を検討すべきではないか。

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2140709 0 社説 2021/06/21 05:00:00 2021/06/21 05:00:00

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