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イラン大統領選 反米強硬路線では安定保てぬ

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 米欧やイスラエルなどとの対決色を強め、国民を締め付けるだけでは、経済の再生も体制の安定も望めまい。新政権は、強硬路線のエスカレートを避ける必要がある。

 イラン大統領選で、反米・保守強硬派のライシ司法府代表が当選した。保守穏健派で国際協調路線を進めたロハニ大統領に代わり、8月に就任する。強硬派の政権は8年ぶりとなる。

 政教一致のイスラム体制をとるイランでは、最高指導者のハメネイ師が全権を握っている。それでも、大統領が外交や経済で一定の政策を打ち出すことは可能で、選挙には民意が反映されてきた。

 大統領選では、最高指導者の影響下にある監督機関が立候補資格を審査する。今回は特に厳しく、穏健派の有力候補や自由拡大を求める改革派は出馬を認められなかった。知名度の高いライシ師の圧勝は決まっていたといえる。

 81歳のハメネイ師は、後継者を考える時期に来ている。治安維持を担ってきた厳格なイスラム法学者のライシ師に委ねるのが、体制護持には最適だと考えて、実質的に支援したのではないか。

 イラン支配層は、投票率が過去最低の48・8%にとどまったことに目を向けるべきだ。白票などの無効票は、次点の候補が獲得した票数を大きく上回ったという。

 選択肢を奪われた有権者の不満や体制への不信の表れであることは明白である。ライシ師が強硬路線に基づいた統治を行えば、人心はさらに離反していくはずだ。

 当面の焦点は、イランが2015年に米欧などと結んだ核合意を維持するかどうかだ。米国のトランプ前政権が合意から離脱して対イラン制裁を復活させたのに対し、イランも合意から逸脱して核開発を拡大してきた。

 バイデン米政権が核合意復帰を模索する一方、ライシ師も合意継続を公約としている。その真意は制裁解除をいち早く勝ち取り、どん底にある経済を再生して、国民にアピールすることにあろう。

 米国は、イランがまず合意破りの核開発をやめるべきだと主張している。弾道ミサイル開発の停止やイエメン内戦への介入をはじめとする覇権主義的な行動の自制も求めている。双方の隔たりは大きく、協議の難航は必至だ。

 イランは、核開発や地域を不安定化させる動きから脱却しない限り、国際的な孤立と経済の苦境が続くことを認識しなければならない。イランと良好な関係を保つ日本は国際協調を促すべきだ。

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2144219 0 社説 2021/06/22 05:00:00 2021/06/22 05:00:00

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