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赤木ファイル 現場の抗議無視し改ざん強要

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 公開された資料からは現場職員の反対を無視し公文書の改ざんを強要していた財務省の姿が浮かび上がった。組織の 隠蔽いんぺい 体質を、改めて問い直す契機にせねばならない。

 学校法人・森友学園への国有地売却を巡る財務省決裁文書の改ざん問題で、2018年に自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんが経緯をまとめた文書「赤木ファイル」が、遺族側に開示された。

 赤木さんの妻が国などに損害賠償を求めた訴訟で提出を求めていた。ファイルは財務省側が保管していたもので、赤木さんが残した経過表や財務省とのメールなど、500ページを超える。一部職員の実名などは黒塗りにされていた。

 財務省が18年に公表した調査報告書では、理財局が改ざんの表現ぶりを指示し、近畿財務局の職員らが行ったとされた。今回公開されたファイルには、「決裁済み文書の改ざんは問題で、本省に強く抗議した」と書かれていた。

 不正に加担させられた現場の憤りは当然である。こうした声を無視して、組織ぐるみで改ざんを重ねた財務省の罪は重い。

 当時の理財局長・佐川宣寿氏は国会答弁で、土地売却への政治家の関与を繰り返し否定した。国会審議が紛糾するのを避けるため、政治家関係者からの問い合わせ状況を文書から削除するなど、改ざんは約300か所に上った。

 ファイルには、「佐川局長の指示の詳細は説明されず、本省からメールで投げ込まれてくる」との記載もあった。詳しく事情を知らされないまま、改ざんを求められる 苛立いらだ ちがにじんでいる。

 国側は当初、訴訟に必要ないとして、ファイルの存在すら明らかにしなかった。今回開示したのも、裁判所に促されたためだ。不誠実な対応だと言わざるを得ない。こうした姿勢が、改ざんや隠蔽を生む土壌になったのではないか。

 開示を受けて、麻生財務相は「18年に調査を尽くした」との考えを示し、「再調査を考えているわけではない」と述べた。

 訴訟では今後、開示されたファイルを審理し、改ざんと赤木さんの自殺との因果関係を判断する。真相究明のために、国は 真摯しんし に裁判と向き合うべきである。

 近年、ずさんな公文書管理が相次ぎ、行政への信頼を損ねている。政策立案の過程を記録に残し、国民への説明責任を果たすことは、健全な民主主義に不可欠だ。

 政治家や官僚は文書管理の重要性を再認識し、不正の再発を防ぐための対策を急ぐ必要がある。

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2147439 0 社説 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 07:27:00

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