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大麻「使用罪」 若者の乱用に歯止めかけたい

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 興味本位で大麻を使う若者が増えている。大麻の使用を禁止するよう現行法を改め、乱用を食い止めねばならない。

 厚生労働省の有識者検討会が、大麻取締法などに「使用罪」を新設し、大麻を使った人に刑事罰を科すことを盛り込んだ報告書案をまとめた。厚労省は改正案の国会提出を目指すという。

 現行の大麻取締法は、大麻の所持や譲渡を禁じているが、使用を直接罰する規定がない。祭事や神事に使うため合法的に大麻草を栽培する農家があり、大麻成分を吸い込む可能性があるとの理由で、処罰対象から除外されてきた。

 大麻所持で摘発された人の75%は、使用では処罰されないと知っていた。大麻を使っても許されるとの誤解を与え、乱用を助長してきた面もあるのではないか。

 大麻の所持や譲渡で検挙される人は、2014年から7年連続で増えており、昨年は過去最多の5273人に上った。20歳未満が全体の17%を占め、30歳未満を含めると65%に達するという。

 東京都内では5月、22歳の男性がビルの4階から転落死し、体内から大麻成分が検出された。10~20歳代の知人ら6人と大麻を吸っていたという。興味本位で大麻を使うと、取り返しのつかないことになると認識すべきだ。

 浸透に拍車をかけているのがSNSの存在だ。大麻を「野菜」などと言い換えて手軽に売買するケースが目立つ。神奈川県では大麻取引を巡る若者同士のトラブルから殺人事件も起きている。

 米国の一部の州やカナダでは、大麻の使用が合法化されており、インターネット上では「大麻は有害ではない」といった情報も流れている。大きな間違いである。

 乱用すると、記憶障害やパニック発作が生じかねず、依存の危険もある。何より、覚醒剤やコカインといった、より強い違法薬物の使用につながる「入り口」になることを忘れてはならない。

 警察などの関係機関は、大麻の売買をうかがわせるSNSの書き込みの監視や、大麻の危険性を訴える啓発活動を強化し、乱用を防ぐ手だてを講じるべきだ。

 いったん薬物に手を染めると立ち直るのは容易ではない。国や自治体は、薬物依存者を支える民間団体と連携し、更生を支援するための対策を進めてほしい。

 検討会では、大麻成分の医薬品への活用も提言された。海外では、難治性てんかんの治療に用いる国もある。効果を見極め、国内での活用法を模索してもらいたい。

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2179138 0 社説 2021/07/05 05:00:00 2021/07/05 05:00:00

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