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巨大IT調査 基本ソフトの寡占も監視せよ

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 生活に欠かせないスマートフォンを動かしている基本ソフト(OS)の市場を、米巨大IT企業2社が寡占している。弊害が生じていないか、政府は厳格に点検するべきだ。

 政府のデジタル市場競争会議は6月下旬、スマホのOS市場について、実態調査に乗り出した。

 国内のスマホ向けOSは、アップルの「iOS」が7割弱、グーグルの「アンドロイド」が3割強を占めている。支配的な立場を使って不公正な取引が行われていないかどうか、取引先のスマホメーカーなどから聴取する方針だ。

 問題が見つかった場合は、規制の強化を検討してもらいたい。

 OSはスマホを稼働させる基本的なソフトのことだ。検索やゲーム、電子決済といったアプリを動かすための土台のような役割を担っている。パソコンでは「ウィンドウズ」がこれにあたる。

 パソコンのOSでは、マイクロソフトがウィンドウズによる支配力で、競合のネット閲覧ソフトを排除したなどとして提訴され、米連邦地裁から2000年に分割命令を受けた。その後、改善策を講じることなどで和解している。

 IT機器の主役は現在、スマホに移行しており、同様の事態を警戒する必要がある。

 欧米では、すでに2社の寡占を問題視する声が広がっている。

 グーグルは、アンドロイドを搭載するスマホメーカーに、グーグルの検索サービスを当初から標準として設定するよう求めているとされる。アップルには、音楽などで自社のアプリを優先的に使用させているとの指摘がある。

 そのほか、OSを乗り換える際のデータ移行やアプリの切り替えの手続きを複雑にし、顧客を囲い込んでいるとの見方がある。

 グーグルとアップルのOSで使うアプリを提供している開発事業者から、一方的に高額な手数料を取っているとの批判も根強い。

 日本でも、取引先や利用者に不利益が生じている恐れがあり、徹底的に調べることが不可欠だ。欧米の当局とも連携しながら、対策を探らねばならない。

 政府は今年2月、ネット通販とアプリストアを手がける巨大IT企業に、取引の透明化を求める新法を施行した。ネット上のデジタル広告についても、早ければ来春に新法の対象に加える。OSへの規制検討はこれに続くものだ。

 政府は調査結果を踏まえ、独占禁止法による対応強化や、新法の適用も視野に、実効性のある監視の仕組みを構築してほしい。

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2182153 0 社説 2021/07/06 05:00:00 2021/07/06 05:00:00

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