道路や橋の管理 SNS活用がもたらす効率化

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 スマートフォンやSNSを通じて住民から道路や橋などの損傷を連絡してもらい、迅速な対応とコスト削減を図る自治体が増えている。

 住民と自治体の双方に有用なシステムだと言える。

 国内の道路のうち、約8割は市町村道が占め、橋の約7割も市町村道にかけられている。高度成長期の1960~70年代に建造、整備された道路や橋は、老朽化が進みつつある。

 維持・管理を担う市町村の多くが、人口減に伴う職員数削減で人手不足が生じている中で、地域のインフラ(社会基盤)をいかに効率的に点検し、安全を確保していくかが問われている。

 神奈川県鎌倉市は5月から、無料通信アプリ「LINE」を活用したシステムの運用を始めた。

 住民が道路の穴やひびなどを見つけた際、写真を撮影して市の公式アカウントに送信すれば、担当者がスマホの位置情報から現場を特定できる。場所が国道や県道だった場合は、国や県に情報を提供する仕組みだ。

 従来は、担当者が電話やメールなどで対応していたが、現場の位置の把握や不具合の状況確認に手間取ることもあった。昨年10月に試験運用を開始してから、情報提供は300件近くに達し、8割は補修が完了しているという。

 千葉市などは専用のスマホ用アプリを導入し、補修後の写真を住民が見られるようにしている。

 スマホやSNSを通じた住民との連携強化が行政サービスの向上や職員の負担減をもたらしている例だろう。住民が行政に参加する意識を高めることにも、つながるのではないか。

 公園の遊具の損傷やゴミの不法投棄について情報を受け付けている自治体もある。住民との協力による住みよい街づくりに向けて、各自治体が地域の実情に合わせた活用法を工夫してもらいたい。

 SNS活用に伴う弊害にも注意し、防止策を講じることはもちろん重要である。

 写真の位置情報を偽造して、いたずらで通報する人が出る可能性もある。情報の真偽を判断し、適切に対処する仕組みが必要だ。

 広島市は道路や公園の損傷に関する情報をLINEで受け付けているが、個人情報が悪用されることへの懸念から、3月から6月まで運用を停止した。情報提供者の名前や電話番号などを扱わない形に改修して再開したという。

 各自治体は、情報の管理にも万全を期さなければならない。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2213857 0 社説 2021/07/17 05:00:00 2021/07/17 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)