ワクチン不足 国と自治体で情報共有を図れ

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 新型コロナウイルスのワクチン不足により、接種予約の受け付け停止やキャンセルが相次いでいる。政府は現場の実態を把握し、混乱の解消に努めなければならない。

 こうした問題への対策として、政府は8月のワクチン供給量を市区町村別に公表した。これまでは市区町村への供給量が直前まで伝えられず、接種計画を立てる際の障害となっていたためだ。

 8月前半の2週間で計1170万回分を全国に供給し、後半も同程度を配分するという。目詰まりの解消を図る狙いなのだろうが、遅きに失した感は否めない。

 各自治体は、政府の要請で接種体制を拡充したが、肝心のワクチンが届かず、確保した人員や会場のキャンセルに追われる事態となった。8月以降の供給量も十分とは言えない。政府は見通しの甘さを重く受け止めるべきだ。

 日本は米国のファイザー、モデルナ両社から、9月までに計1億回分を超える追加提供を受けることになっている。自治体の多くは、すでに接種体制が整っている。前倒しで供給を受けられるよう、両社と積極的に交渉してほしい。

 政府は6月末までに約9000万回分を市区町村に配った。このうち約4000万回分が使われていないと指摘している。

 そのため、接種の進み具合に応じて、自治体に供給するワクチンの量を調整することを決めた。未使用が多い自治体への供給を減らし、接種のペースが速い自治体に手厚く配分するという。

 これに対し、自治体からは反発する声が上がっている。ワクチンを十分に確保できるかどうか、見通せない中で、2回目の接種に使うワクチンを保管しておくのは当然だという主張だ。

 政府と都道府県、市区町村は、密接に情報を共有し、相互不信を取り除いてもらいたい。

 背景には、国の登録システムの問題もある。接種を終えた人の情報を入力する作業が煩雑で、進展状況が即時に反映されず、これが自治体で在庫を抱えているという誤解につながったとされている。改善策を講じる必要がある。

 感染拡大が続く東京都では、ワクチン接種が進んでいない50歳代の重症者が増えている。対応できる病床には限りがあり、医療体制の 逼迫ひっぱく が懸念される。こうした世代への接種も急ぎたい。

 ワクチンはコロナ対策の切り札である。できるだけ早く希望者全員の接種を終えられるような仕組みづくりが不可欠だ。

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2213856 0 社説 2021/07/17 05:00:00 2021/07/17 05:00:00

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