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五輪外交 ともに困難を乗り越えたい

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 東京五輪の開会式に合わせ、各国要人が来日する。新型コロナウイルス流行をともに乗り越えていくという国際的な団結を示すことが大切だ。

 開会式には、次回パリ五輪のホスト国であるフランスのマクロン大統領や、米国のジル・バイデン大統領夫人らが出席する。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長も来日し、関連の会議などに参加する予定だ。

 過去の五輪では、80人を超える首脳らが開会式に参列したこともあった。今回、コロナの影響で少人数となったのは寂しいが、緊急事態宣言が出される中で来日する要人には感謝を伝えたい。

 コロナの世界的な流行を収束させるには、国際社会が連携して、途上国へのワクチン供給や若者への接種などを進めることが重要になる。菅首相は各国要人らとの会談を通じて、国際協調の機運を高めるよう努めてほしい。

 ジル氏は、大統領夫人としては初めての来日だ。対日関係を重視する米政権の姿勢を表しているといえる。首相とバイデン大統領との個人的な信頼関係を深めるための一助となろう。

 五輪開会式はこれまで、外交の場として活用されてきた。2018年の韓国・平昌冬季五輪の際には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が妹の与正氏を派遣した。

 今回は、派手な外交の舞台にはならないものの、感染対策に万全を尽くすことで、国際社会における日本への信頼を高めたい。安全安心な五輪を開催するという国際公約を果たさねばならない。

 台湾は、IT担当閣僚として知名度の高いオードリー・タン氏の派遣を表明していた。調整がつかず実現しなかったが、タン氏はSNSに日本語で、「五輪をサポートすること、日本への感謝の心は変わらない」と記した。

 韓国の文在寅大統領は、土壇場になって来日見送りを決めた。日韓関係改善に向けた対話の機会が失われたのは残念である。

 韓国政府は、首脳会談で成果が見込めないためだと説明している。だが、関係改善には「元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)」や元慰安婦をめぐる問題で、韓国側が解決策を示すことが先決だ。

 韓国側は、選手村の食事について、福島県産品を食べないよう指導したという。選手村居住棟のベランダには一時、反日的ともとれる内容の横断幕が掲げられた。

 日韓関係を悪化させかねない行動だ。政治的な主張を五輪に持ち込まないよう配慮を求めたい。

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2223006 0 社説 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00

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