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コロナ再拡大 「第5波」への具体策打ち出せ

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 新型コロナウイルスの流行から1年半になる。緊急事態宣言を出して、国民の行動を制限する手法は、限界に来ている。感染の「第5波」に備えた総合的な対策が必要だ。

 東京都には4度目の宣言が発令されているが、新規感染者数は今春の第4波を上回り、1200人を超えた日もある。まん延防止等重点措置の対象となっている埼玉、千葉、神奈川の3県と大阪府でも感染者数は増加している。

 対象地域の人出はさほど減っていない。頼みの綱のワクチン接種も供給が滞り、感染拡大を抑え込むには至っていない。夏休みの時期になり、人の移動は今後さらに増えることが懸念されている。

 新たな対策を打ち出さなければこの夏の再拡大は防げまい。ワクチン一辺倒ではなく、検査のさらなる拡充や新しい治療薬の有効活用などを含め、政府としていつまでに、何をやるのか、具体的な計画を策定することが重要だ。

 最近は、ワクチン接種が進んでいない50歳代の重症化が問題になっている。現役世代が職場などで検査を受けやすくし、感染者を早期に発見して隔離する体制を作ってもらいたい。

 夏休み対策として、政府は8月末まで、羽田空港や関西空港などから北海道と沖縄県へ向かう航空便の搭乗者に無料の検査を提供している。こうした検査を一層充実させることが大切である。

 酒類を提供する飲食店への対策も見直す時期に来ている。この1年半の間に感染対策を講じてきた店は多い。一律に休業を求めるのではなく、実情を科学的に検証し、安全が確認された店には、営業を認めることも検討すべきだ。

 症状の重いコロナ患者に対応できるよう、病床も増やさねばならない。患者の急増に備えて、都道府県境を越えた広域搬送の体制も整備しておく必要がある。

 発症の初期段階から使えるコロナ治療薬が国内で初めて承認され、使用できるようになった。入院して点滴を受けることになるが、海外では死亡リスクを7割減らす効果が確認されている。日本でも積極的に使いたい。

 下水中のウイルスを測定することで、新たな変異型を探知したり、感染が広がっている地域を早期に特定したりする新しい手法が、専門家から提案されている。米国やオランダでは、すでに実用化されているという。

 政府は、国内外で研究されているこうした新技術も取り入れ、感染の抑止につなげてほしい。

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2223005 0 社説 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00

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