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中国を一斉非難 悪質さが際立つサイバー攻撃

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 中国政府がハッカー集団を雇い、米国などにサイバー攻撃を行っている実態が明らかになった。米国と日欧は連携を強化し、サイバー空間の安全を守らねばならない。

 米国とその同盟国が協調して、中国のサイバー攻撃を非難する声明を一斉に出した。日英、豪州、ニュージーランドや、北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)が参画している。

 異例の規模での批判は、危機感の高まりの表れだろう。今後も首脳らが集まる場で、中国に警告を発し続ける必要がある。

 今年3月には、米マイクロソフトの企業向け電子メールソフトがサイバー攻撃を受け、数万社に被害が及ぶ事件があった。米政府は、実行犯のハッカー集団が、中国の情報機関である国家安全省とつながりがあると発表した。

 ハッカー集団は、中国当局から便宜供与を受け、保護されている可能性が高い。

 過去の中国のサイバー攻撃は、中国軍部隊が実行する例が多かった。今回のような手法を使えば、世界中に散らばる中国人ハッカーを遠隔操作することが可能で、当局の関与の痕跡を隠しやすい。

 ロシアが国内のハッカー集団を放置しているのと同じ図式だ。悪質さを増したといえる。

 米政府高官は、「米国と同盟国の経済や安全保障に対する大きな脅威だ」と警鐘を鳴らした。先端技術や知的財産、機密情報が窃取されたり、発電所などの基幹インフラが危険にさらされたりする事態を断固阻止すべきだ。

 バイデン米政権は、中国のサイバー攻撃の手口や被害に関する情報を同盟国と共有し、共同対処する方針を示している。声明を出すだけで終わらせず、サイバー犯罪を捜査、摘発する体制を強化していくことが重要である。

 日本は、サイバー防衛の整備の遅れが指摘されている。政府の情報機関の活動は限定的で、機密情報の取り扱いでも、米国のような厳格な規定はない。これでは同盟国との情報共有や共同対処で限界が生じざるを得ない。

 サイバー防衛を支える技術や法制度について総点検し、法的整備が必要であれば、国会で議論を尽くし、改善策を講じてほしい。

 中国は、米国の発表は証拠が乏しく、不当な非難だと主張した。米情報機関の中国での 諜報ちょうほう 活動も批判しているが、中露のように政府がサイバー犯罪を主導するのとは話が違う。一方的な主張は国際社会の疑念を高めるだけだ。

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2226007 0 社説 2021/07/22 05:00:00 2021/07/22 05:00:00

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