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ビジネスと人権 供給網の点検を国が支援せよ

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 企業にとって、サプライチェーン(供給網)上の人権問題という新たな懸案が浮上している。官民で適切に対処しなければ、日本企業の国際競争力を損ないかねない。

 米国のバイデン政権は、中国の新疆ウイグル自治区に供給網を持つ企業などが、米国の輸出入に関する法律に違反するリスクがあるとする警告文を出した。自治区で事業を行う企業との取引を見直すよう、強く求めるものだ。

 中国政府が自治区の少数民族に対し、ジェノサイド(集団殺害)や強制労働の罪を犯していると判断しているためだという。

 自治区は、綿製品や太陽光パネル部材などの世界的産地だ。取引先がある日本企業は少なくないとみられ、対応を迫られよう。

 カジュアル衣料「ユニクロ」のファーストリテイリングは、仕入れ先が強制労働に関わっていないとの証明が不十分だとして、米国で輸入を差し止められた。

 欧州でも、人権を侵害している取引先がないかどうかを調べ、情報開示するよう企業に義務づける法整備の動きがあるという。人権尊重の流れは広がっている。

 投資家も人権問題を重視する姿勢を強めている。対応が遅れれば、企業の格付けや資金調達に悪影響が及ぶ恐れがある。世界でビジネスを行う企業は、供給網の再点検に乗り出すことが不可欠だ。

 子ども服ブランド「ミキハウス」を展開する三起商行は2017年に、取引先のミャンマーの縫製工場が劣悪な労働環境にあることを人権団体から批判された。

 取引先が多岐にわたるため、当初は問題の工場を把握できていなかったが、迅速に現地調査を行って確認し、改善させたという。

 供給網の点検に際しては、実際に現地に足を運ぶことが大切となる。ただ、中国側の反発で、ウイグル自治区では年々、企業が実地調査を行うことが難しくなっているとの見方がある。

 中国側は、米国が指摘する人権侵害問題について、事実無根だと主張しながら、国連による実態調査を受け入れていない。企業の供給網の精査には限界があろう。

 国の支援が必要だが、日本政府は人権問題を理由とする経済制裁には慎重で、対応は企業の自主的な取り組みに委ねている。

 政府は、人権侵害を容認しない姿勢を明確に表明するとともに、供給網の調査受け入れを中国に働きかけ、企業を側面支援すべきだ。企業が供給網の点検で参考にできる指針作りも急がれる。

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2234042 0 社説 2021/07/26 05:00:00 2021/07/26 05:00:00

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