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民間宇宙旅行 もう夢物語の時代ではない

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 米国で新興企業が次々と宇宙旅行事業に乗り出している。宇宙飛行士でなくても、観光で宇宙を訪れることができる時代の幕開けである。

 米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏は、自身が設立したブルーオリジン社の宇宙船で、高度100キロ超に到達した。打ち上げから着陸までの模様は、世界中にインターネットで中継された。

 弟とともに自ら初の有人飛行に挑んだのは、安全性をアピールする狙いもあったのだろう。18歳と82歳の男女も同乗し、一般人でも搭乗できることを印象づけた。

 英実業家リチャード・ブランソン氏は一足早く、ヴァージン・ギャラクティック社の機体で飛び立ち、数分間の無重力状態を楽しんだ。ベゾス氏に先を越されまいというライバル心が垣間見える。

 米電気自動車大手テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏も、スペースX社による宇宙旅行を計画している。こちらは、数日間かけて地球を周回する本格的な宇宙旅行となる。

 将来は月を周回する旅行も計画しており、実業家の前沢友作氏が参加を表明している。

 ヴァージン社の飛行には、すでに600人の予約が入っている。チケットは約2800万円もするという。この価格では、顧客は一部の富裕層に限られるだろう。徐々に価格を引き下げ、参加者の幅を広げてもらいたい。

 宇宙旅行を巡っては、各国の法令や国際ルールの整備が追いついていないといった課題も残されている。参加者を乗せるロケットや、発着基地となる「宇宙港」周辺地域の安全をどのように確保するのかなども検討が必要になる。

 現状では、宇宙飛行は出発した地点に戻ってくる方式だが、宇宙を経由して別の場所に向かえば、大陸間を数十分で結ぶ超高速の移動手段になる。一定の市場が見込めるため、各社とも新しいビジネスとして注目している。

 日本では、ネット事業などで成功した富豪が、資金力を背景に異分野のハイリスク事業に挑むという例は少ない。独自のロケット開発に取り組むベンチャー企業などはあるものの、事業化にはまだ時間がかかる見通しだ。

 宇宙産業全体を伸ばすには、政府が計画的にベンチャー企業を育成し、官民で投資を集めるなどの戦略的な支援が重要になる。衛星の打ち上げといった新たなビジネス分野で出遅れないよう、産業の担い手を育ててほしい。

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2237088 0 社説 2021/07/27 05:00:00 2021/07/27 05:00:00

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