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中国と南太平洋 島嶼国の拠点化に警戒が要る

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 中国が、南太平洋の とうしょ 国への関与を強めている。なりふり構わぬ経済支援で小国を取り込み、拠点を作ろうとする動きには警戒が必要だ。

 トンガやフィジー、パラオなどの島嶼国は、かつて英仏米や日本などが統治した経緯もあり、交流が維持されてきた。地理的に近いオーストラリアやニュージーランドとも関係が深い。

 大半の国が人口数万~数十万人で、観光や農漁業以外に産業は乏しい。慢性的な財政難の中、近年は中国が大量の資金援助を通じて急速に存在感を高めてきた。

 キリバスは、中国の支援を受けて、観光開発の名目で滑走路の修復や港湾の改修、衛星追跡施設の整備を進めているという。滑走路や港湾、通信施設は、軍事目的の利用も可能だ。

 中国はこれまでもアフリカやアジアで、援助と引き換えに港湾の使用権などを手にした。こうした「債務の わな 」に陥らないか、注意しなければならない。

 ソロモン諸島は2019年に、軍港建設に適した入り江を持つ島を丸ごと、中国の国有企業に長期使用させる契約を結んだ。その後、米豪は中国が島を軍事拠点化することを懸念し、契約を撤回させた。参考にすべき例だろう。

 パプアニューギニアの島の一つでは、中国資本による漁港建設計画が浮上した。島は豪本土に近いことから、豪州では漁港が中国の偵察活動の拠点に使われかねないとの疑念が高まっている。

 南太平洋の島嶼国に対する中国の融資総額は、この地域の国内総生産(GDP)の2割超に上るとされる。南シナ海と同様に、沿岸国への支援を強めながら、影響力を拡大する思惑は明白だ。

 南太平洋では、6か国が台湾と外交関係を持っていたが、キリバスとソロモン諸島が19年に中国に 鞍替くらが えし、4か国に減った。中国は今後も、切り崩し工作を続けていくだろう。

 南太平洋の安定は、米国と豪州の同盟を中心に保たれてきた。中国の軍事的影響力が拡大すれば、バランスが崩れる恐れがある。

 日米豪は英仏とも連携し、中国の野心的な海洋進出に対し、安保協力を強化することが重要だ。

 日本は3年に1度、島嶼国との首脳会議を主催している。今月の会議では、新型コロナウイルスワクチンの無償供与を表明した。

 気候変動対策や人材育成など、日本ならではのきめ細かい支援を通じて、島嶼国との信頼関係を維持していきたい。

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2237087 0 社説 2021/07/27 05:00:00 2021/07/27 05:00:00

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