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択捉島特区構想 露支配の既成事実化は許せぬ

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 日本固有の領土である北方領土に対するロシアの支配を既成事実化しようとする意図は明白だ。領土問題解決を阻害し、日露関係悪化を招く動きは到底容認できない。

 ロシアのミシュスチン首相が北方領土の択捉島を訪問した。日本の中止要請にもかかわらず、強行したのは、領土返還に応じない姿勢を明確にする狙いからだろう。重大な主権侵害だ。

 ロシアは最近、国後島周辺海域で射撃訓練を実施すると日本政府に通告してきた。昨年発効したロシアの改正憲法は、「領土の割譲禁止」を明記している。

 一連の動きは、北方領土がロシアの領土であるとの立場を誇示し、固定化を図るものだ。

 日露は2016年に、「双方の法的な立場を害さない」条件で、北方4島での共同経済活動を推進する方針を決めた。だが、具体策を巡って折り合いがつかないまま、活動は本格化していない。

 こうしたなか、ミシュスチン氏は今回の択捉島訪問で、北方領土に投資する外国企業の税負担を減免する構想を発表した。特区を設けて投資を促進するという。

 ロシア極東は開発が遅れている地域が多く、首都モスクワなどと比べて政権への支持度は低い。特区構想には、9月の下院選を控え、極東の経済底上げをアピールする狙いがあろう。

 日露の共同経済活動がロシアに有利な形で進まないのなら、中国や韓国の企業と協力するという、日本への揺さぶりにもなる。

 共同経済活動で合意していながら、一方的にロシア主導の開発や投資誘致を行おうとするのは、日本の立場とは相いれない。

 露首相の択捉島訪問を受けて、森健良外務次官はガルージン駐日大使に抗議し、茂木外相は遺憾を表明した。領土問題での日本の断固たる立場をプーチン露大統領に理解させるには、菅首相が直接発信することも必要ではないか。

 菅首相は昨年9月、プーチン氏との初の電話会談で平和条約交渉の継続を確認したが、新型コロナウイルスの流行もあって、接触の機会はなかった。日露の首脳会談や外相会談を早期に行い、 膠着こうちゃく 状態を打開しなければならない。

 北方領土を巡る日本の対応は、中国も注視しているはずだ。ロシアの理不尽な主張に曖昧な態度をとっていたら、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国の挑発的な行動が勢いづくことにもなりかねない。

 菅首相は、日本の領土を守る確固とした戦略を示すべきだ。

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2240139 0 社説 2021/07/28 05:00:00 2021/07/28 05:00:00

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