読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

カルテル容疑 電力自由化の趣旨に反する

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 西日本と中部の大手電力会社が、競争を制限するカルテルを結んでいたとの疑いが出ている。事実だとすれば、電力自由化の趣旨に背くものであり、許されない。

 公正取引委員会が今月中旬、九州電力とその販売子会社、関西電力、中国電力の4社を独占禁止法違反容疑で立ち入り検査した。

 2018年頃から、工場やオフィスビルなど事業者向けの電力販売を巡り、電力小売り自由化前に各社が供給していたエリアを越えて顧客獲得をしないよう、取り決めをした疑いが持たれている。

 公取委は4月にも関電、中国電、中部電とその子会社に、独禁法違反容疑で検査に入っていた。九電が加わって、より広い範囲でカルテルが結ばれていた可能性が浮上したとみられる。

 販売エリアの「縄張り」を設けることで価格競争を避け、収益を上げていたとすれば悪質だ。

 さらに、中部電と東邦ガスは、中部地区の家庭向け電気・ガス販売で、価格を維持するカルテルを結び、消費者に不利益を与えていた疑いがあるという。

 電力供給は戦後、地域ごとの独占体制が続いたが、約20年前から販売自由化が段階的に進められてきた。大規模工場など大口向けから始まり、16年には家庭用を含めて全て自由化の対象になった。

 各エリアに新規参入する事業者を広げることで競争を促し、料金を抑えるのが狙いだ。電力会社が、従来のエリアの外で供給することも可能になった。

 その中で、競争回避のためのカルテルが横行していたとすれば、自由化は台無しになってしまう。各社の役員級の幹部が関わった組織的な行為だとの見方もある。公取委は、徹底的に調査して全容を解明し、厳正に対処すべきだ。

 自由化で、電力市場に占める新電力のシェア(占有率)が約20%に高まるなど、競争は激化している。その結果、大手電力の経営余力が乏しくなり、発電所や送電網への必要な投資が進んでいないという問題も指摘されている。

 だからといって、カルテルに走るのは筋が違う。独占体制で温存されてきた非効率な業務を改革し、コスト削減や新ビジネスの創出などで、収益力の向上に取り組むのが本来の姿であろう。

 再生可能エネルギーの普及や燃料高を背景に、電気料金は上昇傾向にある。電力各社は、安定供給を確保しつつ、健全な競争を通じて自由化の恩恵を利用者に届ける努力を尽くさねばならない。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2243396 0 社説 2021/07/29 05:00:00 2021/07/29 05:00:00

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)