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大学入試改革 現場の声軽視が失敗を招いた

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 大学入試改革は、高い理想を掲げて迷走を繰り返した末、最後まで実務面の課題を解決できずに挫折した。

 萩生田文部科学相が、大学入学共通テストへの記述式問題と英語民間試験の導入を断念すると正式に表明した。公平な採点や受験生の経済格差の解消が難しいとする有識者会議の提言を受けて、最終判断した。

 記述式と民間試験の導入は、大学入試センター試験に代わる共通テストの2本柱だった。だが、共通テスト開始を約1年後に控えた2019年末、受験生や高校から拙速だとの批判が強まり、見送りと延期に追い込まれた。

 こうした経緯を踏まえれば、今回の正式断念は、当然の結論である。文科省は改めて、入試改革の頓挫という事態を招き、受験生や高校、大学を混乱させたことを猛省しなければならない。

 社会の変化に対応できる人材を育成しようと、政府の教育再生実行会議が知識偏重や1点刻み入試からの脱却を提唱したのは13年だった。その後、中央教育審議会などの議論を経て、20年度を「改革元年」とすることが決まった。

 記述式で思考力や表現力を問い、英語の「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランス良く測ることの重要性には、多くの教育関係者も異論はないだろう。

 ただ、こうした新方式を50万人近い受験生が受ける共通テストに導入するためには、どうやって公平性を確保するかという難題を解決する必要があった。文科省も最初から、わかっていたはずだ。

 改革を期限内に達成することを優先するあまり、誰のための改革なのかを見失っていたのではないか。受験生や高校、大学の声に耳を傾けていれば、もっと早くに軌道修正を図れたはずだ。

 入試のやり方を変えることで、高校や大学の教育改革を促すことも目指したようだが、本来は一体的に進められるべき話だ。入試改革だけで高校や大学の課題が一挙に解決されるわけではない。

 大学入試に問題が多いことは否定できない。小論文や面接で受験生を評価する総合型選抜(旧AO入試)の一部にも、「学力不問ではないか」との批判がある。

 文科省は今後、入試改革に取り組む大学に補助金を出し、個別入試の改革を促す方針だという。

 有識者会議は今回の提言にあたり、高校生や教員らから意見を聞き、大学へのアンケートも実施した。こうした現場の意見を今後の改革に生かしてほしい。

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2253592 0 社説 2021/08/02 05:00:00 2021/08/02 05:00:00

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