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原爆忌 平和を希求する思い世界に

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 新型コロナウイルス流行の厳しい状況下にあっても、被爆の悲惨な記憶を継承する取り組みは、変わることなく進めていかなければならない。

 広島は6日、長崎は9日、原爆投下から76年を迎える。広島市ではきょう、平和記念式典が開かれ、各国の大使らが参列する。

 平和の祭典である五輪も開催中である。平和への思いが広く共有されるよう、発信に努めたい。

 新型コロナの感染拡大により、広島平和記念資料館の入館者数は昨年度、8割減少した。修学旅行生や海外の観光客が訪問できなくなったためだ。被爆者が体験を直接語り継ぐ機会も激減した。

 読売新聞社と広島大学平和センターが実施したアンケートによると、被爆体験の証言活動をする人の多くが、このままでは核兵器の恐ろしさや非人道性が忘れ去られるという不安を感じている。

 歴史継承の新たなあり方を検討すべきだろう。オンラインでの講演や、証言、展示資料のデジタル化などを進め、多言語で積極的に広めていく工夫が重要になる。

 インターネットを通じてでも、世界中から被爆の実相の一端に触れることができれば、国際的な機運の醸成にもつながろう。

 被爆者は昨年度、約9000人亡くなり、平均年齢は84歳に近い。貴重な証言を、活用可能な形で残しておく意義は大きい。

 オバマ元米大統領が広島を訪問して核廃絶を訴えたのは、5年前である。しかし、核をめぐる世界の状況はむしろ悪化している。

 米露両国は、保有する核弾頭数を減らしたが、実戦配備数は逆に増やした。中国は、弾頭数を増加させ、軍縮協議にも後ろ向きだ。北朝鮮の脅威も高まっている。

 米国の「核の傘」に頼らなければ、日本を含む地域の平和と安全を確保できないのが現状だ。

 今年1月、核兵器の使用などを包括的に禁じる核兵器禁止条約が発効した。しかし、核保有国だけでなく、核の傘に守られている国の多くが参加しなかった。

 日本も、米国による核抑止力の正当性を損なうなどとして加わっていない。条約は、国家間の対立を先鋭化させかねない。

 まずは、核兵器を保有する北朝鮮や、保有が懸念されるイランに核を断念させ、核保有国を含めて建設的な形で軍縮協議を進めることが肝要である。

 そうした現実的な努力を主導することが、唯一の被爆国であり、今も核兵器を保有する国に囲まれている日本の責務と言えよう。

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2264828 0 社説 2021/08/06 05:00:00 2021/08/06 05:00:00

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