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ドイツの大洪水 「脱炭素」への傾斜を強めるか

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 気候変動問題への取り組みで国際的な影響力を持つドイツが「脱炭素」政策をさらに加速させる契機となるのか。

 ドイツ西部とベルギーなどで7月中旬、豪雨による洪水が発生し、多くの人命が失われた。ドイツではこれまで自然災害は比較的少なかっただけに国民に衝撃を与えている。

 市街地に津波のような勢いで泥水が流れ、逃げ遅れる人が続出した。気象庁が警報を発していたにもかかわらず、多くの自治体が住民への避難指示を出さず、惨事につながったという。防災体制に不備があったのは否定できまい。

 ドイツ政府と自治体はまず、堤防などの河川管理や住民の避難のあり方を見直し、再発防止に努める必要がある。

 欧州ではこの夏、洪水に加えて、大規模な山火事も起き、地球温暖化の影響と結びつけた議論が活発になっている。

 ドイツのメルケル首相は洪水の被災地を視察した際、相次ぐ異常気象と温暖化の関連を指摘し、「気候変動との戦いを加速させねばならない」と強調した。

 今回の豪雨や洪水の原因が温暖化にあると科学的に結論づけることは時期尚早だろう。ただ、ドイツではもともと、気候変動や温室効果ガスの排出削減策への関心が高く、問題の重要性が一段と高まったのは間違いない。

 9月の総選挙では、各党の気候変動対策が、新型コロナウイルス対応と並んで主要な争点となる。メルケル氏は選挙後の退任を表明しており、次期政権の行方にも影響しそうだ。

 現時点の支持率は、メルケル氏の与党のキリスト教民主・社会同盟がリードし、環境政党・緑の党が追っている。総選挙の結果を受けて連立政権の枠組みが決まるが、緑の党が政権入りすることが有力視されている。

 緑の党は、ドイツの排出削減目標の前倒しや石炭火力発電の早期廃棄などを選挙公約に入れた。政権を担うことを想定し、気候変動対策予算の増額を盛り込んだ緊急計画も洪水後に発表している。

 緑の党をはじめ各党が、「脱炭素」で有権者へのアピールを競うあまり、次々と急進的な政策を打ち出すことが懸念される。

 ドイツは、環境保護と産業界の競争力のバランスをとりながら、気候変動対策を定めてきた。この基本姿勢を維持しながら、11月の気候変動枠組み条約締約国会議(COP)に向けて、建設的な議論を主導してほしい。

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2270021 0 社説 2021/08/08 05:00:00 2021/08/08 05:00:00

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