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東京五輪閉幕 輝き放った選手を称えたい

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 ◆運営面での課題を次に生かせ◆

 57年ぶりの東京五輪が幕を閉じた。新型コロナウイルスの世界的な流行という困難を乗り越えて開催された異例の大会として、長く語り継がれることだろう。

 今大会は、史上初めて開幕が1年延期され、大部分の会場が無観客になるなど、新型コロナの影響によって、当初計画から度重なる変更を余儀なくされてきた。

 ◆強化策が実を結んだ

 17日間の会期中、感染力の強いデルタ株の広がりで東京都内の新規感染者数が急増し、一部に中止を求める声も上がった。

 しかし、世界各国から集まった一流の選手たちが見せた力と技は多くの感動を与えてくれた。厳しい状況の中でも大会を開催した意義は大きかったと言える。

 選手たちは、五輪の開催が危ぶまれる不安定な状態で練習を続けた。大会中も感染対策のために、行動制限を課せられた。

 選手たちがひたむきに競技と向き合う姿に励まされた人は多かっただろう。全力を尽くして戦った選手たちを たた えたい。

 日本選手団は、金27、銀14、銅17の計58個に上るメダルを獲得した。金メダルは、過去最多だった1964年の東京大会と2004年のアテネ大会の16個を大きく上回った。メダルの総数も、最も多かった。

 特に個人戦男女14階級のうち9階級を制した柔道や、2冠を達成した体操の橋本大輝選手、競泳の大橋悠依選手らの活躍は見事というほかない。新競技のスケートボードで10代選手が躍動するなど、話題も豊富だった。

 悲願の金メダルに輝いた野球やソフトボール、卓球の混合ダブルスなど、日本ならではの「チーム力」も光った。

 政府は、東京五輪の招致が決まった13年以降、選手の強化費を増やし、柔道などメダル獲得が有望視される競技に重点的に配分してきた。今回の好成績は、こうした対策が実を結んだと言えよう。

 ◆女子の活躍が目立った

 一方、競泳はメダル獲得数が2000年のシドニー五輪以降で最も少ない3個にとどまった。若い世代の育成が課題だろう。

 東京五輪は、「多様性と調和」を大きな理念の一つに掲げた。

 開会式で日本選手団の旗手を務めたバスケットボールの八村塁選手や聖火リレーの最終ランナーだったテニスの大坂なおみ選手など、日本以外の国にルーツを持つ選手の存在もその象徴だ。

 様々な事情で母国を逃れた選手による「難民選手団」や、性的少数者(LGBT)であることを明かした選手も参加している。

 女性の活躍も目立った。583人の日本選手のうち、女子は史上最多の277人に上り、日本勢の金メダルの約半数を獲得した。

 男女平等を進めるため、混合種目も増えた。多様性を認め合う社会へと変わる契機にしたい。

 ◆浮き彫りになった問題

 今大会は、東日本大震災から10年という節目にあたり、「復興五輪」とも位置づけられてきた。

 コロナ禍で海外の人たちに復興の様子を見てもらうことはかなわなかったが、表彰式ではメダリストに被災地の花束が贈られ、選手村の食事には現地の食材が使われた。

 来日した選手や関係者は数万人に上った。選手村などで大きな集団感染が起きなかったことが、成功の証しと言えるのではないか。多くのボランティアに支えられたことも忘れてはならない。

 一方、現代の五輪が抱える課題も浮き彫りになった。

 暑さが厳しい真夏に大会を開き、夜間に予選を行うなど、選手にとって厳しい競技日程になったのは、国際オリンピック委員会(IOC)に巨額の放映権料を支払う米テレビ局の意向が優先された結果だとされている。

 大会の延期に伴う追加経費や無観客で失われたチケット収入の 補填ほてん は、ほとんど東京都や国が負うことになる。放映権料を確保しているIOCに比べ、開催都市のリスクが大きいとの指摘もある。

 開会式の直前には、演出担当者らが過去の人権軽視の言動などを指摘され、次々と辞任や解任に追い込まれた。

 大会組織委員会は、今回直面した課題を記録に残し、今後の五輪改革につなげるよう、IOCに提案することが必要だ。

 24日からはパラリンピックが始まる。開会式は、再び緊急事態宣言が発令されている中での開催となる見通しだ。政府や組織委は、五輪で得た教訓をパラリンピックにも生かさなければならない。

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2271492 0 社説 2021/08/09 05:00:00 2021/08/09 05:00:00

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